筆者は、以前(2024年7月)に各社の自転車保険を比較しました(記事はこちらより)。今回は、その続編です。
当時、各社の自転車保険を比較し、最終的に損保ジャパンのUGOKUを契約しました。契約の決め手は、充実した補償内容と保険料のバランスです。ところが、2024年12月に突然保険料値上げの通知がきまして、これまでの980円/月から1,680円/月へ。値上げ幅はなんと1.7倍で、年間の保険料は20,160円となりました。
筆者は自家用車を所有しており、自動車保険に加入しています。その更新が、6月。自転車保険を単体で入るべきか、それとも自動車保険にオプションをつけた方が良いのかを調べるべく、今回の記事作成に至っております。
先に結論から言うと、筆者は自転車保険は解約し、自家用車の保険に自転車保険をオプションする可能性が高いです。
加入すべき自転車保険と、加入すべきではない自転車保険
- 年間保険料:補償内容が同じであれば、安いに越した事はない。
- 加害者になった場合の補償:理想は無制限。できるだけ多い方が望ましい、1億円では心許ない。
- 示談代行サービスと弁護士費用特約は必須。ロードサービスは家族が車を運転できるなら割り切るという手もアリ。
昨年の記事と内容が重複するので、詳細は割愛します。
自分が事故の加害者になってしまった時、医師や弁護士(収入が高い)のような人の仕事を奪う事になると、1億円では全く足りない恐れがあります。よって、できるだけ高額な保障の保険に加入すべきです。また、保育園に送迎中の自転車相手に事故を起こした場合、補償する人数が3人になる場合が考えられます。筆者も子どもがいるので心境は痛いほど分かるので批判する意図はないのですが、保護者の前後に乗っている小さな子どもたちが、毎回ヘルメットをしっかり被っているは限りません。
自分が被害者になった場合、「相手が保険に加入していれば」ですが、相手の保険会社から治療費+慰謝料が支払われます。よって、自分が被害にあった場合の保障は、ある程度絞るという考え方はアリだと思います。ただその場合、金額が1.5倍近く異なる2つの慰謝料計算テーブルがあり、高い方で計算してもらうためには弁護士をつける必要があります。よって、被害時の補償を削る場合、弁護士費用保障特約は必須です。
各社の保険を比較分析
各社のプランを見て、筆者が「もし契約するならこのプラン」と判断した補償額が1億円以上&弁護士補償特約付きのプランをピックアップしています。それ以外のプランは原則紹介しませんが、実際には以下に挙げた以外にも各社様々なプランがあります。
なお、我が家の場合、自転車に乗るのは筆者だけですので自転車使用者を「個人」で調査しています。「家族プラン」でみた場合、各社の評価が変わる可能性がある旨はお含みおきください。厳しめの評価を下した保険会社も、家族プランは他社より優れているといった可能性はあります。
au損保 bicycle本人タイプ×ゴールドコース
- 保険料:12,300円/年
- 個人賠償責任(加害者になった場合の補償額):3億円
- 弁護士費用補償特約あり(300万円まで)
弁護士費用補償がカットされて6,410円のシルバーコースもあります。ただ、事故被害にあった際の慰謝料が数十万円単位で変わるため、弁護士費用補償特約はあった方が良いと思います。
損保ジャパン 移動の保険 UGOKU
- 保険料:20,160円/年 (1,680円/月の契約を1年間更新した場合)
- 個人賠償責任(加害者になった場合の補償額):無制限
- 被害事故弁護士費用保険金:あり。300万円限度
筆者が本記事作成時点で契約しているのが、このUGOKUです。2024年7月時点では、この補償内容で11,760円/年の保険料でした。ただ、昨年12月に保険料改定の通知が来て、一気に倍近くの大幅値上げへ。
値上げがあり心象は良く無いのですが、補償内容が幅広いのも事実です。加害事故の補償が無制限なのも、自転車保険ではこのUGOKU他数件のみ。十分検討に値する保険だと思います。
東京海上日動 ネットでeジョー A~Cプラン
- 保険料:7,260円/年~3,280円/年 (自身がケガをした場合の補償内容で3つプランあり)
- 個人賠償責任(加害者になった場合の補償額):無制限(どのプランでも)
- 弁護士費用特約:なし
この保険料で、A〜Cいずれのプランでも個人賠償責任が無制限なのは魅力的です。自身の補償範囲を3択で選べるのも、良いと思います。ただし、弁護士費用補償特約はいずれのプランにもありません。弁護士費用特約を割り切れる人であれば、非常にオススメできる保険だと思います。
なお、2024年7月に調査した際は、(誤りでなければ)Aプランは5,690円/年の保険料だったようです。自転車保険に関しても昨今の例外に漏れず、全体的に値上がりしている事が分かります。
三井住友海上 ネットdeほけん@さいくる A~Cコース
- 保険料:6,150円/年~3,090円/年 (自身がケガをした場合の補償内容で3つプランあり)
- 個人賠償責任(加害者になった場合の補償額):3億円(どのプランでも)
- 弁護士費用特約:なし
読まれた方に関係者の方がいらっしゃれば申し訳ないのですが、率直にいうと東京海上日動の廉価版という印象です。個人賠償責任の補償額と年間保険料だけを考慮した場合、あえてこちらを選択する理由が見当たらないと感じました。
セブンイレブン 自転車保険
- 保険料:3,220円/年
- 個人賠償責任(加害者になった場合の補償額):3億円
- 弁護士費用特約:なし
東京海上日動や三井住友海上とは違い、プランは1つのみ。保険料は各社の松竹梅でいえば梅ですが、個人賠償責任は3億円です。弁護士費用補償特約を割り切れば、良い保険だと思います。
楽天損保 サイクルアシスト
- 保険料:3,000円/年
- 個人賠償責任(加害者になった場合の補償額):1億円
- 弁護士費用特約:なし
個人的には、安かろう悪かろうという印象が否めませんでした。今回の比較リストからは省きましたが、契約者(自分)の入院時や死亡時の補償であったり、補償範囲が家族単位のプランに於いてもセブンイレブンの方が手厚いです。楽天カードユーザーであればポイントがつくメリットはありますが、保険契約の目的を考えるともっと優先すべき項目があるはずです。
自動車保険のオプションにするのが一番安い(し、楽)
ここまで、各社の自転車保険を並べて評価してみました。ただ、もし親族に自家用車をお持ちの方であれば※、自動車保険のオプションに個人賠償特約(名称は保険会社によって違うと思います)を附帯させるのが、一番手っ取り早くて安いのかな?と思います。身も蓋もないのですが。
※自動車保険によっては、同居別居問わず家族であれば補償対象のプランもありました。
参考までに、筆者が自動車保険のオプションで自転車保険(自転車乗車中の加害事故)を附帯させた場合の補償金額と保険料を記載します。
- イーデザイン損保:補償額1億円・保険料2,200円・弁護士費用補償特約なし(筆者がHPを見た限り、自転車乗車中の事故には使えないと理解しました。誤っていれば、コメント等いただければ幸いです)
- 三井ダイレクト:補償額無制限・保険料2,270円・弁護士費用補償特約一部あり(自転車vs自動車事故のみ。自転車vs自転車ではダメ)
- チューリッヒ:補償額1億円・保険料2,540円・弁護士費用補償特約あり
- おとなの自動車保険:補償額無制限・保険料2,200円・弁護士費用補償特約一部あり(対自動車事故のみ。自転車vs自転車ではダメ)
- ソニー損保:補償額3億円・保険料3,270円・弁護士費用補償特約あり(自動車+日常事故プランを選択した場合)
チューリッヒの場合、保険料と弁護士費用特約は魅力的ですが、補償額は若干物足りません。その点ソニー損保は、チューリッヒよりは保険料がかかりますが、補償額が充実しています。
そして「保険料3,000円前後・補償額3億円・弁護士費用補償特約あり」という自転車保険は、今回筆者が調べた限りではありますが、存在しません。もしご存知の方がいらっしゃれば、ぜひコメント欄etcで教えてください。
まとめ
オプションの自転車保険の内容で自動車保険を選ぶというのも若干おかしな話ですが、自転車保険に比べて自動車保険の保険料や補償範囲は各社似通っています。これは、自動車保険の場合「運転者の年齢・運転者の免許証の色・車の用途・年間走行距離・車種・運転アシスト機能の有無」etcによって細かく属性テーブルが設定されており、それらに基づいて保険料が決定されるからだと思われます。
一方自転車保険は、「年齢・車種(軽快車orロードバイク)・使途(通勤通学or週末のみ)」etcは一切考慮されず、一律です。よって、各社独自に様々な計算をしてプランを設定しているものと思われます。これが、自動車保険に比べて自転車保険のプラン内容が各社バラつく理由かと。
本記事が、皆様の自転車保険選択の一助になれば幸いです。

ブルベ参加の際は、自転車保険の加入が必須です(普段から必須ですが)