交通事故 保険

各社の自転車保険を比較分析してみます 2024年7月編


先日、初めてとある自転車保険に加入しました。

というのも、これまで自転車保険は、自動車保険のオプション(追加料金あり)で賄っていました。ところが、先日契約した自動車保険には有償オプションも含めて自転車保険がありませんでした。

筆者は最近殆どロードバイクには乗れていませんが、通勤ではフラットハンドルに換装したcaad9にほぼ毎日乗っていますよって、新たに自転車保険に入らねばなりませんでした。

そこで今回、良い機会ということで自転車保険について調べてみました。

記事前半部では、筆者が自転車保険に求める条件。後半は、各社の中で「自分が契約するならこのプラン」というプランを紹介しています。

なお、各社プランの保険金や補償条件は、記事作成時点(厳密にいうと投稿より1ヶ月程度前)の情報になります。読まれた方に参考にしていただけるような情報発信を心がけていますが、読まれる方のタイミングによっては記載時点とは契約内容や保険金が変更になっている場合があります。

契約の際は、必ず企業の公式ページにて内容を確認の上でご契約をお願いいたします。

保険の構成要素

自転車保険の要素は大きく分けると

  • 自分が加害者になった時の、相手への補償
  • 自分が被害者になった時の、死亡・後遺障害・怪我・通院に対する補償
  • その他オプション(示談代行サービス・弁護士費用特約etc)

以上3つに大別できると考えています。そして、筆者の考えとしては、この中で最も重視すべき項目は「自分が加害者になった時の、被害者への補償」だと考えています。

自分が加害者になった場合(相手への補償)

誰もが、事故を起こそうと思って起こす訳ではありません。ただ、万が一事故を起こしてしまった際、被害者の方に補償をする事は最低限の責務だと考えています。

筆者は一回交通事故の被害者になったことがありますが、怪我をすれば日常生活の中で不便を強いられます。当時は子どもがいなかったのでまだ良かったですが、子どもの世話・保育園の送り迎えetcをしながら通院までというのは、本当に大変です。その上で、壊れたモノの損害補填のために相手方保険会社とやり取りをしたり、事故の内容次第では警察署にも行かなければなりません。

このように、被害者はあらゆる面で負担を強いられます。そこに金銭的負担まで加わるというのは、到底受け入れ難いものでした。

だからこそ、自分が万一加害者になってしまったときに少なくとも被害者に金銭的な負担を強いない為にも、「自分が加害者になった時の補償」は十分に備えておくべきと考えています。

自転車保険契約にあたり各社のプランをざっと見ましたが、相手への補償上限額が1億円というプランを多く目にしました。

ここからは筆者の個人的な意見ですが、自転車保険の上限1億円は少ないと思います。自動車保険の場合、そのほとんどは「対物・対人無制限」です。

  • 自転車事故で、過去に9,000万円超の賠償判決が出たことがある
  • 自転車事故は、自動車と違い一度の事故で複数人を怪我させる確率は非常に低い

各社自転車保険は、このあたりを理由に「1億円」という上限を設定されているものと想像します。

ただ、もし医師や弁護士のような収入の多い方と事故を起こし、事故後仕事に復帰できなくなったとすれば、1億円の上限額では全く収まらない可能性があります(単純計算ですが、年収1,500万円の人の仕事機会を7年奪えば、それだけで1億円です)。

そのような人を相手に事故を起こすことは希だと思いますが、自動車保険の感覚があると1億円は全く物足りなく感じてしまいます。

また、”自転車事故は、自動車と違い一度の事故で複数人を怪我させる確率は非常に低い”と書きましたが、最近この例から漏れる事例がある事に気がつきました。

それは、「保育園・幼稚園に送迎中の自転車」です。

保護者が自転車を運転し前後に子どもが乗っている光景、見た事がある方も多いかと思います。

自転車同士の事故の場合、大抵の場合当事者は1:1の計2人ですが、子どもが乗った自転車との事故ではは1:3になり得ます。親と子ども2人にどれだけの怪我を負わせてしまうかにも寄りますが、1億円では全く足りなくなる可能性があります。

以上より、自分が加害者になった場合の補償金額は、理想は無制限。少なくとも3億円(手厚いプランだと3億円が多かったです)はあってほしいなと感じました。

自分が被害者になった場合

文字数の都合上、細かい記述は割愛します。各会社のプランによって「死亡時・後遺症が残った時・入院時・手術時・通院時」保険金を受け取る事ができます。金額も様々ですし、通院だけの場合は保険金が出ないプランもあるようです。そのようなプランは、保険金も安く抑えられています。

これも筆者の経験上の話になりますが、できれば通院まで補償されるプランを選んだ方が良いと思います。このような言い方が適切かは分かりませんが、統計上自転車乗車中事故にあって怪我をする場合、その多くは軽傷(=全治30日以下・骨折なしが目安)です※

であれば、最も遭遇する確率の高い軽傷(通院)までも補償されたプランに入るのが賢い選択なのでは?と考えました。

※もっと大きな怪我・それ以上の被害に遭った方を複数知っている身としては、「自転車=怪我しても大した事はない」などと言うつもりは全くありません。あくまでも「統計上、もし自転車で事故にあった場合は軽傷になる確率が最も高い。だから、保険も軽傷まで補償された方がいいと思います」という話です。

その他オプション

こちらも文字数の都合上、細かい記載は割愛します。個人的には、示談代行サービスと弁護士費用特約は必須だと思います。

もし示談代行サービスが無ければ、自分で相手の保険会社担当者と過失割合や壊れた自転車の補償に関する話し合いや交渉をしなければなりません。弁護士費用特約は、もし怪我をした時に支払われる慰謝料に大きく影響します。(弁護士事務所HP等に詳しい解説が多数ありますので割愛しますが、簡単に言えば交渉に弁護士が入るか否かで慰謝料が大きく変わります。)

筆者の考える理想の自転車保険

  • 加害者になった場合の補償:理想は無制限。できるだけ多い方が望ましい
  • 被害者になった場合の補償:通院から補償されるのが望ましい
  • 示談代行サービスと弁護士費用特約は必須

繰り返しになりますが、万一加害者になってしまう事を考えると、相手への補償は無制限が理想です。ただ、筆者が調べた限り自転車保険で相手への補償が無制限のプランは数えるほどしかありませんでした。

現実的には、上限3億円のプランから選ぶのかな?と思います。

自分が被害者になった場合の補償ですが、こちらは各個人でかなり考え方が変わると思います。

こちらも繰り返しになりますが、統計データを踏まえると自転車の事故は、軽傷(骨折未満)で済む事が多いです。であれば、保険としては最も手厚い「通院から補償」のプランを選択するのが理にかなっている気はします。

ただ、「最も手厚い=最も保険料が高い」です。通院は割り切って、入院から補償のプランを選択するのも十分アリな選択肢だと思います。

各社プランと、筆者が思う良い点悪い点

各社のプランを見て、筆者の判断として「もし契約するならこのプラン」と判断したプランをピックアップしています。実際には、ここに挙げた以外にも各社様々なプランがあります。

au損保 ゴールドコース

保険料は12,300円/ 年です。加害者になった場合、しっかりした補償金額・弁護士費用補償etcが一通り揃っています。総合的に見ると、最も優れた自転車保険と感じました。2年契約にすると、保険料割引サービスあり。

良い点

  • 個人賠償責任 3億円
  • 自分がケガをした場合の通院補償あり
  • 弁護士費用補償あり(300万円)
  • 示談代行サービスあり

イマイチな点

  • 補償範囲は契約者本人のみ(家族が賠償責任を負った場合の補償は無し)
  • 保険料は高め

損保ジャパン UGOKU

保険料は、11,760円/年です(実際の契約は980円/月で、年間保険料は単純に月額を12倍してあります)。契約が年単位は無いので、ライフスタイルの変化に対して柔軟にプランを変更できる点は魅力的だと思います。

良い点

  • 個人賠償責任は無制限
  • 1人が契約すれば、家族も補償対象(補償範囲は保険会社HPをご確認ください)
  • 弁護士費用補償あり
  • 示談代行サービスあり

イマイチな点

  • 自分の怪我の補償は最大3,000万円との事だが、支払い条件がHP上で(筆者が探した範囲では)見つからず、不明

東京海上日動 Aプラン

保険金は、5,690円/年。保険金と補償範囲を他社プランと見比べると、若干決め手に欠く印象です。

良い点

  • 相手方への補償に限るが、1人が契約すれば家族も補償対象(補償範囲は保険会社HPをご確認ください)
  • 示談代行サービスあり

イマイチな点

  • 個人賠償責任 1億円
  • 通院では保険金がおりない(手術・入院から)
  • 弁護士費用補償なし

三井住友海上 ネットdeほけん@さいくる Aコース

保険料は、6,150円/年。本人型(補償対象者が本人のみ)プランの他、「本人+親族」(本人と子ども等)というプランもあるのは珍しいなと思いました。

良い点

  • 個人賠償責任 3億円
  • 自分がケガをした場合、通院から保険金あり
  • 示談代行サービスあり
  • ロードサービス無し

イマイチな点

  • 弁護士費用補償特約が無い

セブンイレブン 自転車保険

保険料は、3,220円/ 年。保険金の割に補償範囲が充実している印象です。

良い点

  • 個人賠償責任 3億円
  • 示談代行サービスあり
  • 補償規模に対して保険金が安価

イマイチな点

  • 弁護士費用補償特約が無い
  • 通院では保険金が出ない(手術・入院から)

楽天損保 サイクルアシスト

保険料は、3,000円/年。安価な保険料で家族が賠償責任を負った際にも1億円まで補償される点は魅力ですが、全体的に補償範囲は狭め・渋めと感じます。

良い点

  • 個人型プランでも、他者への賠償は家族が起こした事故も補償される
  • 保険金が安価
  • 示談代行サービスあり

イマイチな点

  • 最も手厚いプラン(充実コース)を選んでも、個人賠償責任1億円が上限
  • 弁護士費用補償特約が無い
  • 通院では保険金が出ない(手術・入院から)

まとめ

最後に 自転車保険比較2024 として、各社のプランを一覧にした表のリンクを置いておきます。

どのプランにも一長一短があります。トレーニング同様、自分に合うプランを見つける事が大切です。

本記事が、ご自身に合う保険契約の一助になれば幸いです。

特に載せたい画像がなかったので、11ヶ月の下の子との足のサイズを比較した写真を載せておきます。子どもも自転車に乗るようになったら、本人補償プランでは足りなくなります。


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