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コンチネンタル GRAND PRIX 5000CL 28c ファーストインプレッション


先日、CLタイヤド定番のひとつである Continental Grand Prix 5000CLを購入しました。

これ以上の付帯情報が無ければ「何を今更」な話ですが、今回は人生初の28cを購入してみました。この記事では、初めて28cを履いてみて感じた事をインプレッションとしてまとめてみようと思います。

先に結論からいうと、Continental Grand Prix 5000CL 28cは、非常に走行感が良いと感じました。平時のサイクリング・トレーニングに於いては、わざわざ25cを履く意味は無いのでは?といっても過言ではないと思います。(大量に積まれた25cの山をみて、やや呆然としていますが)

なお、「一発のヒルクライムでは28cと25cどちらが速いのか?」については、今後記事を作成します。

購入のきっかけ

「ヒルクライムでは、25c28cどっちのタイヤが速いのか?」この実験をしてみたかったからです。以上。

と、これだけではさすがに芸が無いので、もう少し話を深掘りします。

この記事を作成している2023年現在、ロードバイクのタイヤ・ホイールは、年々幅広化が進んでいます。ニワトリと卵ではありませんが、バイク側も、最新のバイクは32c程度までの幅広タイヤを履ける車体も出てきました。実際、28c30cという幅のタイヤをロードバイクに履かせている人も珍しくありません。

では、なぜロードバイクのタイヤは幅が広くなっているのか?

これは筆者の予測も含みますが、「その方が速い」からだと思われます。

もう少し詳しく書くと「速いタイヤを作りたければ『転がり抵抗を小さくする』のが最も重要であり、それは細いタイヤより太い方が小さい」

どういう事かというと「走行中、路面の細かな凹凸やコーナリングにより、タイヤは変形する。この変形が、速く走る上でロスになる。このロスを詳しく分析した結果、幅が広いタイヤの方が走行中のタイヤの変形量が小さいので、即ち速い」

ざっくりいうと、このような理屈です。

そして、この事実が技術の進歩によって分かったから、それに伴い幅広化がすすんでいるのだと認識しています。本記事は、技術の解説をするのが目的ではありませんので、もっと詳細に知りたい方は、こちらのページをご覧頂ければと思います。

一方で、タイヤの幅を太くすることによるデメリットもあります。みんな大好き(大嫌い)、重量の増加です。

本ブログを読まれている方は既に耳タコだと思いますが、ロードバイクは重量・特に足回りを軽くする事が大切です。最盛期よりは薄まった感がありますが、それでもヒルクライムにおいては軽量化を無視する事はできません。「幅の広いタイヤを履く」という事は、この足回りの軽量化に逆行する行為です。

ここで、いつもの如く素朴な疑問が。

「昨今のワイドリム・タイヤ幅広化を鑑みるに、その方が『総合的に速い』のはまあそうなのだろう。けど、『綺麗な舗装路のヒルクライム』でも、重量が嵩む幅広タイヤの方が速いの?」

これを実験してみたくなったので、今回人生初の28cタイヤを購入しました。

Continenntal Grand PrixCL 28cアレコレ

重量

実測重量は、229g235gでした。カタログ値は240gですので、-11g-5g。軽い=当たりとして良いのかは議論が残ると思いますが、重さ「だけ」見れば当たりと言って良いと思います。

なお、25cのカタログ値は225gです。28cとは、カタログ値で15g差です。

この15g差が大きいと感じるかどうかは人それぞれだと思いますが、仮に25c3%上振れ・28c3%下振れすると、計算上ほぼイコールになります。(225g×1.03=231.8g 240g×0.97=232.8g)

私の「当たり」を見る限り、25cの「ハズレ」を引いたら重量差は逆転しうる気がします。無論、25cが「当たり」で28cが「ハズレ」ならば、重量差は大きく差が開いてしまいますが。

組み付けについて

Roval Alpinist CL(初代)へ取り付けました。タイヤをホイールに取り付ける際は

  • 片側のビードをリムに取り付ける
  • チューブを入れる
  • 反対側のビードを取り付ける
  • チューブを噛み込みしていないか確認する
  • 空気を入れる

という手順でされると思いますが、どういうわけか最初(チューブを入れる前)のビード取り付けの方が硬く感じました(面倒臭かったので、タイヤレバーを使いました)

ただ、チューブを入れた後の反対側の取り付けは、タイヤレバー無しで簡単に取り付けができました。普通はチューブを入れてからの側が硬いという印象なのですが、理由はよく分かりません。なお、前後2本とも同じような感覚でした。

また、後日MAVICのCOSMIC SLR45mmにも取り付けていますが、概ね似たような印象を持ちました。総じて、取り付けはしやすい方だと思います。

走行感について

2回走行し、1回目の空気圧はいつも通りの5.02回目は4.8に落として走行しました。以下感想は、同タイヤ25c(空気圧5.0)28c(空気圧4.8)比較を記載しています※

※「空気圧を変えたら意味がないだろ」という意見・ご指摘もあると思いますが、「幅広化するなら空気圧を下げなければ意味がないだろ」もまた事実だと思います。補足すると、28c5.0気圧を色に例えると真っ赤だとして、4.8に落としても赤が青になるような変化はありません。赤が、僅かに紫がかった赤になるくらいの変化です。感触は変わりますが、同じタイヤの範疇です。

 

チューブは、ヴィットリアのラテックスチューブで揃えています。ホイールは、Roval Alpinist CL初代(発売直前に無理やりCL専用にしたアレ)。フレームはスペシャリッシマディスク。

人間のスペックは174cm/58kg1時間のPWR4.5以上4.8未満くらいです。

ゼロ発進の初速

当初は「28cだと重ったるくなるかな?」と想像していましたが、そんな感覚は全くありませんでした。仮に「25c28cを順不同で5回ずつ、目隠しして10m程度のゼロ発進を繰り返してどっちかを当てるゲーム()」をした場合、私は違いが分からないと思います。

ストップ&ゴーの多い通勤車は、古き良き23cを履いていますが、これなら28cに換えたいなと思います。

平坦路巡行

ローハイトリムのホイールにも関わらず、30~35km/h程度で巡行したときのスピードの維持性は、よい印象を受けました。どんどん伸びていく事は無いのですが、失速しにくい感じがあります。

そして、振動吸収性も非常に良いと感じます。個人的には、25cTLRよりも28cCLの方が勝っているのでは?と感じました。スピードの維持性が良いので、そのように感じるだけなのかもしれませんが。

また、これはダウンヒル中の話になってしまいますが、直線区間での速度の伸びも非常に良かったです。コースの都合上(いや単に筆者の脚が無い)平坦路で40km/h超での巡行は試していませんが、速度域をもっと上げても28cの方が巡航性能は高いのかな?と感じました。

ヒルクライム

重量増に伴い懸念していたヒルクライム性能ですが、これも特に25cとの違いは分からず。途中10%超が4km?程度続く六甲山でも、乗鞍長野側と斜度の近い蓬莱峡でも、28cが劣っているとは思いませんでした。

なお、25c28cでどちらが速いタイムを出すのかは、後日実験しています。

コーナリング

25cと最も違いを感じたのは、峠の下り・コーナリングです。過去100回以上下っている六甲山の、少々路面の荒れたタイトコーナーでも、自転車が跳ねず・意図した方向に曲がっていく感覚がありました。

  1. 25cCL
  2. 25cTLR
  3. 28cCL

同じコースをこの3パターンで下った印象としては、28cのCLは25cのTLRと遜色ない安定感があると感じました。安定性を高めたい場合、25cをTLR化するよりCLのまま28cに幅を広げるという選択は大いにアリだと思います。

耐パンク性

これは予想にはなりますが、同じ製品の25c28cで設計を変えているとは思えないので、基本的には25c同じだと思われます。従って、巷でもよく言われるサイドが弱点なのかな?と予想します。ただ、私は25cで本製品を使用中にパンクをしたことが無いので、個人的にはさほど心配することは無いかな?と考えています。

耐久性

これも予想になりますが、基本的には25c同じだと思われます。であれば、3000kmはゆうに持つかと。

価格

絶対的な価格は以前より上がりしましたが、同グレードの他社製品と比較した場合、特別に高いという事は無いと思います。耐久性を考えれば、非常にコスパは良いかと。

オススメできる人

  • 1g単位の軽量化に拘る人
  • 昔ながらの、ゴツゴツとした乗り味を好む人
  • 体重+バイクの総重量が60kgを切るくらい軽量・小柄な人

総重量の値は筆者の主観ですが、これら当てはまらなければ28c化は非常にオススメ出来ると思います。特に、筆者のようにダウンヒルやコーナーに苦手意識がある人は、1回試してみる価値はあるかと。

なお、上記はすべてスペシャリッシマディスクでの印象・感想です。軽量リムブレーキのエモンダに履かせた場合、同じ感想になるかは分かりません。今後試してみたいと思います。

まとめ

これまで 食わず嫌いをしていた28cのタイヤですが、思った以上に気に入ってしまいました。昨今、トップレベルのレースでもこの幅のタイヤが使われている意味が分かりました。

レースを走るシリアスライダーにも、サイクリング中心のホビーサイクリストにも、満遍なくオススメ出来ると感じています。

個人的には、平時のトレーニングライド・ブルベetcのロングライドにおいては28cを使いたいと思います。25cの在庫を使い切った暁には、ですが。

GP5000の28c単体のインプレッションというよりは同タイヤの25cと28cの比較記事になってしまいましたが、ご参考になれば幸いです。


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