自転車以外の趣味

Apple Watch Series5〜Series9 比較分析【サイクリスト・ランナー目線】


先日、Apple Watchから通知が来ました。

バッテリー消耗のお知らせです。

筆者が使うApple Watchは、Series6(2020年9月発売)です。発売日に購入したので、使い始めてから丸3年経過したことになります。

3年前のApple Watch、機能面では何も不満はありませんが、さすがにバッテリーの劣化は感じます。1日1回の充電では心許ない状況です。

このような時、バッテリーだけ修理(交換)するという手もありますが、往々にして何かしらの理由をつけて新しいモノが欲しくなります。

そこで今回、Series5〜最新のSeries9までを比較して、購入の理由を探してみました。

なお、本記事の先に結論から言うと

日常生活(腕時計やSuicaで電車に乗るetc)と、ランニングウォッチ・サイクリングのログ取りの用途であれば、筆者が使うSeries6は勿論、Series5で必要十分なのでは?と感じました。

ただ、それだけでは芸がありません。

2023年も残り少ない今、新たに購入する人であれば、Series7(以降)がオススメ。もし1年待てるのであれば、2024年9月頃に発売されるSeries7(以降)可能性があるSeries10(仮)を待つのがベターでは?と感じました。

これが、本記事の結論です。私も、何か買おうと思って本記事を作成し始めましたが、Series6でもう1年粘ってから考えようと思い直しました。

Apple Watch Series5,6,7,8,9の比較表

モデル名(サイズ) Series5(44mm) Series6(44mm) Series7(45mm) Series8(45mm) Series9(45mm)
チップ S5 S6 S7 S8 S9
重量 36.7g 38.0g 38.8g 38.8g 38.7g
バッテリー 非公開 最大18時間 最大18時間 最大18時間 最大18時間
ディスプレイ series3比で30%拡大 series3比で30%拡大 series6比で20%拡大 series7と同じ series8比で2倍明るい
ストレージ 32GB 32GB 32GB 32GB 64GB
防塵性能 非公開 非公開 IP6X IP6X P6X
防水性能 50m 50m 50m 50m 50m
価格 50,380 50,380 52,800 64,800 64,800
目玉機能

常時画面点灯

転倒検出機能

血中酸素濃度不規則な心拍リズム検出 高速充電対応(series6比で33%速く充電可能)

皮膚温度センサー

衝突事故検出機能

ダブルタップ操作機能

リストの大前提として

  • 価格は、最廉価版のアルミニウムモデルGPSモデル(データ通信機能なし)
  • 大型モデル (Apple Watchは、各シリーズ大小がある)

をリスト化しています。チタンやエルメスモデルetcの高級モデルやセルラーモデルは、筆者が購入予定にないのでリスト化していません。

そして、各シリーズの「特筆すべき」と感じた特徴については、赤文字にしてみました。こちらも完全に筆者の独断と偏見です。ただ、Apple Watchマニア向けと言うよりは「職場の、Appleやガジェットにこだわりが無い人に聞かれとき、自分ならどう答えるか?」という視点で書いてみました。

なお、機能は毎年何かしら追加されていきます。そして、廃止になる機能は原則ありません(その筈です)。例えば、Series6に付与された「血中酸素濃度計測機能」は、記載していませんが7以降のモデルもすべて有しています。

各項目について考察

チップ

毎年アップグレードされていますが、個人的には6のチップで不具合を感じたことはありません。Series7以降を使ったことはありませんが、個人的には、チップ性能の向上は買い換えの理由にはなりにくいと感じました。その理由は、Apple Watchで複数のアプリを同時利用する場面が非常に限定される為です。

これがiphoneやPCの場合、アプリを複数起動するシチュエーションは、多々あると思います。以下例。

外出中、イヤホンで音楽を聴きながら地図アプリを閲覧。目的地までの途中、寄ったコンビニで物珍しい商品を見つけてブラウザやSNSで検索。会計は決済アプリで。先ほど購入した製品を、写真撮影してSNSへアップetc。

このような作業をする場合、チップやメモリの性能が低いとアプリの起動に時間が掛かります。最悪の場合、アプリが落ちてしまいます。コンビニでの会計時「もはや現金の方が速いのでは?」という方、時々お見かけしますが。

よって、スマホやPCに関しては、チップやメモリ性能の高い製品(=新しいモデル)を選ぶという判断には、妥当性があります。

一方、Apple Watchで使うアプリ・出来る作業は限られています。確かに、OSのアップデート処理や電源オフ後の再起動は、新しいチップが入っている端末の方が速い筈です。ただ、OSのアップデート速度が多少速くなったところで、普段の生活が便利になる訳ではありません。

なお参考迄ですが、こちらの記事によると、Series6〜8や現行の廉価モデルであるSEで、チップ性能は変わらないとか(あくまで参考情報)。逆に言えば、チップ性能のアップが必要なアプリ・ソフトウェアが出てきていないとも言えます。

繰り返しになりますが、筆者はSeries6を3年以上使っています。このチップで、各種アプリの動作に不具合を感じたことはありません。今後ソフトウェアやアプリに劇的な刷新が無い限り、Series6程度のチップ性能があれば必要十分ではないか?と考えています。2023年現在も、廉価モデルには同性能のチップが使われている事実が、それを裏付けしていると思います。

重量

Series5からSeries6になった際に若干増加していますが、特筆すべき事はありません。もしバッテリー保ちを今後改善しようとする場合、どれくらい重量が増加するのかは気になります。

バッテリー関係

バッテリー保ち

「最大18時間」という能書きは、Series5以降変更はありません。ただ、筆者の使うSeries6は、バッテリー容量が78%に消耗した現在でも満充電で18時間程度は保ちます。新品の購入直後であれば、恐らくカタログ値より長い時間動作するものと思われます。

充電速度

カタログ表記によると、高速充電に対応したSeries7以降の端末は、0%→80%までを45分で充電出来るようです。

参考までに、筆者が使っているSeries6(高速充電非対応)が、どれくらいの速さで充電されるのか確認してみました。

40%充電するために(56%→96%)、40分掛かりました。単純計算すると、0→100%にするためには、1時間40分程度必要になると思われます。バッテリー容量が78%に消耗している事を考慮すると、新品状態ではもっと掛かるかもしれません。

個人的には、Series6の充電速度に不満はありません。

ただ、「充電を忘れていたけど、あと10分で家を出なければならない」というような場面では、Series7以降の高速充電は魅力的です。個人的には、高速充電は買い換える価値がある機能だと感じました。

画面サイズ

Series3を購入した際は、40mm(小サイズ)を購入しました。時計として文字盤を表示する分には、このサイズで必要十分でした。一般的な腕時計のケースは、40mmあれば「大きい方」ですので。

ただ、スマートウォッチとして利用する場合、LINEや地図アプリetcを表示するには画面が小さく感じました。それを踏まえて、Series6を購入する際は44mm(大サイズ)を購入しました。

結果、アプリの画面が見易くなり、非常に満足しています。特に、地図アプリは使い勝手が良くなりました。

Apple Watchは、Series7でボディサイズとベゼル幅の変更がありました。これにより、画面表示部はSeries6比で20%大きくなりました。

ランニングやサイクリング中は、画面を凝視することは出来ません、チラ見したその一瞬で、画面の情報を得る必要があります。その意味で、大画面化は歓迎すべきアップデートと考えます。

個人的には、Series7以降の画面サイズ・表示部拡張は非常に羨ましく思います。これも、購入する価値のあるアップデートと感じます。

各Seriesの特徴とコメント

Series5

常時画面表示機能が、一番の目玉であろうSeries5。また、本シリーズから位置情報を把握するためのコンパスが内蔵されました。機能的には、これ以降のモデルであれば十分使えるように思います。

ただ、2019年モデルという事もあり、賞味期限は短そうです(後述します)。これから購入するとすれば中古になろうかと思いますが、あまりオススメできません。逆に、Series5を発売日に購入した人は、一番の勝ち組では無いか?と思います。

常時画面表示機能

Series5で追加された機能です。

個人的に、これは必須機能だと感じました。Series6を購入する前は本機能が無いSeries3を使っていましたが、手首をわざとらしく「クルっ」と向けなければならなかったので、非常に煩わしく感じていました。

ランニング中やサイクリング中は勿論ですが、そもそもApple Watchは「腕時計」です。であれば、常時画面表示機能があるモデルを個人的にはオススメします。Series3(常時画面表示非対応)を使った経験がある私としては、必須機能と感じています。

Series6

筆者が使っているモデルです。血中酸素濃度測定が目玉のモデルだと思います。ただ、正直使い所が難しいと感じました。

血中酸素濃度計測機能

Series3から買い換えの際、Series6かSeries5で悩んだ結果6を選んだのは、本機能の有無でした。ただ、Series6を3年使って分かったのは、「正直要らないな」と。

「血中酸素濃度が計測出来る」とあったので、筆者は常時計測され、その記録が残るのではないか?と期待していました。よって、例えばインターバルトレーニング中の血中酸素濃度の変化を追えば、その日の調子や過去からのレベルアップが数値化されるのでは?と考えていました。

ところが、実際には「時計が一定方向を向いており、安静中しか計測されない」というモノでした。

私が期待したような、サイクリング中の血中酸素濃度の変化は勿論追えません。それどころか、血中酸素濃度を計測する・ログ管理をするアプリが殆ど存在しないため、ユーザーが「計測」した際のスポット値しか記録に残りません。

イメージ的には、体温計で体温を測るような感じです。体温計は、運動中の体温の推移は計測するものではありません。あくまで、計測出来るのは「計測」をした瞬間のみです。

Series6を購入した2020年当初、端末で「血中酸素濃度が測定可能」になりましたが、その機能を活かすソフトウェアが全くといって良いほど存在しませんでした。この「機能を活かすソフトが無い」という問題は、2023年になってもあまり変化はありません。

結果、「何のためにあるのかよく分からない」機能に成り下がってしまっているのが、現状だと感じました。無論、定期的にSPO2の計測が必要な人にとっては、便利な機能だとは思いますが。

今後、本機能を活かしたアプリが開発されれば、化けるかな?と思います。

心拍異常通知機能

心拍数が一定値を超えたときに通知する機能です。

これは、機能としては非常に有意義であると感じる一方、本ブログの読者には使いにくい機能である可能性が高いと感じました。

使いにくいと判断した理由は、1分間の心拍数が40を下回ると「異常」認定されてしまうからです。

トレーニングを重ねたサイクリスト・ランナーであれば、安静時心拍数が40を切る方は珍しくありません。そのような方が本通知をOnに設定していた場合、延々と「心拍数異常」の通知が来ます。これでは、いつの通知が「異常」なのか、分かりません。というか、即日Offにしたくなるかと。

なお、この設定値は設定で変更が可能です。ただ、40が「下限」です。今後のアップデートで「下限」の設定が変われば良いのですが、少なくとも直近3年以上は変更が有りません。よって、今後もあまり期待は出来ないかと。

なお、心房細動等の心疾患を持つ方にとっては、本機能は大変有効な機能だと思います。その意味で、一概に本機能の存在意義を否定するものでは無い事は付記しておきます。あくまで「本ブログのメイン読者さんであろう、トレーニングを重ねたサイクリスト・ランナーにとっては使いづらい」という話でした。

Series7

Series6の形状を継承しつつ、フルモデルチェンジしたSeries7。前述したディスプレイ表示部の拡張と高速充電以外は、Series6と大きな違いはありません。ただ、どちらも非常に実用的なアップデートです。

個人的には、これを買えば良かったなぁと思いました。タイミングが良ければ、Appleの認定整備済製品ページで購入できるかもしれません。

Series8

肌温度検出機能と、事故検出機能が追加されました。ただ、為替の影響等もあるのでしょう。Series7と比較して大きく値上がりしました。「新色のグリーンがどうしても欲しい」という訳でなければ、個人的には「推しにくい」モデルです。

肌温度計測機能

肌の表面温度を計測することで、月経サイクルを把握出来るという機能です。Series8で追加されました。この機能については、女性がレビューしている記事を読まれることをオススメします。本機能の精度や使い勝手は、筆者には判断出来ません。

事故検出機能

こちらも、Series8で追加されました。事故の衝撃を検知した場合、事前に指定した連絡先に連絡が届く機能です。

これも、評価が難しいです。というのも、iPhone14以降のユーザーであれば、iPhone側に備わっているからです。私のように、iPhone13以前iPhoneユーザーは、Apple Watch側で本機能を賄うという考え方もあります。

iPhoneを持たず、Apple Watchだけでを身につけて転倒・事故に遭う可能性がどのくらいあるか?を考えて、機能の価値を判断すれば良いのかな?と。ランニングの場合アリかもしれませんが、サイクリングでスマホを持ち歩かないことはまずあり得ません。

Series9

画面に触れる事なく操作できる、ダブルタップ機能が追加されました。また、ピンクが追加になったので、ピンクモデルが欲しかった人には朗報のモデル。

ダブルタップ操作機能

Apple Watchを装着した側の指を動かす事で、Apple Watchに触れなくても操作が出来るという機能です。Series9で追加になりました。

「凄いな」と感じる一方、日常生活がどのように便利になるのかは、筆者には正直イメージが湧きませんでした。

レビュー記事も幾つか読みましたが…まあ無くても困らないかな?というのが、率直な感想です。

7以降をオススメする理由

先日(2023年9月)に、WatchOS10がリリースされました。Apple Watchは、年1回OSの大型アップデートが成されます。今回のアップデート、2018年9月発売のseries4は、サポート対象となりました。

未来の絶対的な確証はありませんが、Apple Watchは概ね製品リリースから5年程度はアップデートのサポート対象となります。過去の例を見る限り、4年はほぼ確実に大丈夫と言って良いでしょう。

以下例

  • series2(2016年9月発売)=2020年9月リリースのWatch OS7は対象外=4年サポート
  • series3(2017年9月発売) = 2022年9月リリースのWatch OS9は対象外 =5年サポート
  • series4(2018年9月発売) = 2023年9月リリースのWatch OS10か対象 =6年以上のサポートが確定

端末毎にバラツキはありますが、少なくとも4年はサポートされるのでは?と記載したのは、過去の事例に基づくものです。

冒頭に「機能的にはこれで十分では?」と記載したSeries5は、Series4の次年モデルです。順番で言えば、来年以降Series4のサポートが終わり、その翌年がSeries5の番です。ただ、Series4は非常に長くサポートされている端末である事から、来年Series5もセットで「切られる」可能性は否定できません。

これが、「機能的に十分では?」というSeries5の購入をオススメできない理由です。

Series9はちょっと待ってみては?と思う理由

そもそもは、私が使うseries6のバッテリーがくたびれてきて、9を買おうかな?と思って色々調べたのが、本記事を作成したキッカケです。

Apple Watchはこれまで、3年毎(4→7)にフルモデルチェンジしています。という事は…?勘のいい方はお気づきかもしれませんが、来年発表されるであろうseries10(仮)は、フルモデルチェンジするかも…?という話です。

勿論、これはAppleのみぞ知ります。フルモデルチェンジのサイクルが変わるかもしれません。また、フルモデルチェンジした結果「いや、今までの方が良かった」となる可能性もあります。めちゃくちゃ高くなって、「いや、それは買えない…」ってなるかもしれませんし。

ただ、ここまで見てきた通り、series5以降は僅かな変更ばかりです。その意味で、あと1年粘れる人は来年モデルを見てからでも良いのかな?と思いました。

まとめ

何となく?series9に買い替えようかな?と思っていましたが、この記事を作成して思い留まりました。

この記事が、Apple Watch選びのご参考になれば幸いです。


-自転車以外の趣味
-

© 2024 Better than nothing!やらないよりは良いロードバイクトレーンング Powered by AFFINGER5