ランニングを始めて2ヶ月ほど経ちました。ランニングを始めてみて、自転車と比べてランニングの良いと思うこと・良くないなと感じることが、何となく分かってきました。
今回の記事では、それを比較して纏めてみたいと思います。
「これから運動を始めるにあたり、ランニングと自転車どちらにするか」を検討中の人にとっては、役に立つのかな?と思います。
先に結論を言うと、ランニングは非常にメリットが多いと思います。
「自転車のヒルクライムレースを頑張りたい」というお題目のブログでこの結論を書くのもどうかとは思いますが、これが両方やってみた実感です。
特に、信号の問題とコストの問題は、天と地の差があるように感じました。
ランニングの良いところ
短時間でも運動した「満足感」がある
ランニングは、自転車に比べて身体(特に脚)への負荷が大きいと感じます。1時間程度走るだけでも十分に「満足感」を得られます。筆者は今のところ、1キロ5分のペースで1時間連続(10km)が最長ですが、このメニューを連日やり切る脚はありません。
ここまでペースを上げなくても、外を1時間軽く走っただけで、リフレッシュになります。
自転車の場合、ペースを問わなければ、多くの方が1時間程度はすぐに走れると思います。スポーツバイクの場合、1時間では運動としては物足りなく感じる方も大勢いらっしゃるでしょう。
これについては、身体的負荷も去ることながら、次項の信号ストップも関係してくるように思います。
信号ストップをせずに済むので、運動効率が良い
私が、最もランニングに優位性があると思うのが、コレです。なお、最初に断っておきますが「ランナーは信号を守らなくて良い」という事ではありません。
本題に戻ります。自転車の場合、車道を走行中自分の信号が赤になれば、止まらなければなりません。「停止以外の選択肢が無い」とも言えるでしょう。
もし信号による停止を回避したければ、よほど郊外に行くor信号が無い特定のコースを周回する必要があります。都市部で信号ストップを避けるのは、非常にハードルが高いと言えます。
試しに、都市部を走行中どれくらい信号で停止をするのか、片道20分の自転車通勤中に計測してみました。
結果は、片道20分の通勤路で平均9回。停止時間はおよそ計4分半でした。
これ、単純計算すると「1時間でおよそ27回・計13分以上は信号で休む」事になります。「2分に1回、30秒弱休む」と言い換えても良いかもしれません。
これでは、有酸素運動として効率的とは言えません。
これに対して、歩道をランニングしている場合は、歩行者信号が赤になっても左折(右側の歩道をランニング中であれば右折)する分には一向に構いません。周囲の安全確認が必要になりますが、Uターンすることも出来ます。
この仕組みを利用すれば、信号の多い都市部であっても、1時間ノンストップで走る事は決して不可能ではありません。結果的に、時間当たりの運動効率を上げる事ができます。
「自宅を出て直ぐに、ノンストップ・ノンストレスな効率の良いトレーニングができる」
個人的には、コレがランニングの最も大きいメリットだと感じています。
もし、自転車で時間当たりの運動効率を追求する場合、信号の多い都市部在住者は室内でのローラー台トレーニングになると思います。
ローラー台も、効率だけであればランニングに匹敵すると思います。
ただ、室内で自転車を漕ぎ続けるというのは中々の苦行です。某Zアプリを使えばだいぶマシにはなりますが、それでも身体の使い方は実走とは異なります。
同じ「1時間運動する」のであれば、個人的にはZのアプリでインドアサイクリングするよりも、自宅近くをランニングする方が好きです。外に出る事で、気分転換にもなりますし。
運動強度を一定に保ちやすい
自転車の場合、走行抵抗の多くは空気抵抗です。よって、同じ速度で走行した場合、風向きによって運動強度は大きく変化します。
また、自転車はアップダウンの影響を大きく受けます。みなさまご承知の通り、下りでは脚を止めても自転車は勝手に進んで行きます。逆に登りでは、平坦より大きなパワーが必要です。
さらに、車道を走る自転車は、交通事情の影響を受けます。
先述した通り、信号が赤になれば運動を停止しなければなりません。道路が渋滞していれば、速度(強度)を落とさざるを得ません。運動強度を上げると速度も上がるため、交通量の多い都市部の道路ではそもそも強度を上げにくいという問題もあります。
ランニングは、自転車ほどの空気抵抗はありません(筆者が遅いからというのもありますが)。道路事情や交通状況の影響も自転車よりは受けにくく、強度を維持しやすい事は、ランニングのメリットだと思います。
準備と片付けが簡単
ランニングの場合、服を着替えてシューズを履けば、すぐに運動を始めることができます。この「運動をしよう」と思ってから実行するまでにある工程の少なさは、非常に魅力的です。
走行ログは、Apple WatchかiPhoneで取る事が出来ます。これらを充電してある必要はありますが、それは自転車も一緒です。
自転車の場合、着替えと靴の履き替え以外に
- ヘルメット・サングラス・グローブの着用
- タイヤの空気圧確認
- ボトルの準備
- 心拍計の着用(人による)
- ローラー台から自転車を外す(人による)
コレらを終えて、いざ外に出たら「サイコンの充電切れ」なんて事も。某Zアプリの場合、始めようとアプリを立ち上げた瞬間、強制アップデートが掛かったりもします。
上に挙げた項目、一つ一つは取るに足らない作業です。前もって準備をしておけば、いざ「乗ろう」と思ってからやる必要はありません。
ただ、かたやゼロの作業が純増になるのは、今思うと非常に煩わしく感じます。ランニングをするようになってから、こんなに準備がラクなのかと驚きました。
なお、手間が掛かるのは準備だけで無く、片付けも同様です。
ランニングは、シャツパンツ靴下を洗濯機に放り込めばオシマイですが、自転車はヘルメットやサングラスも洗う・拭かなければなりません。その上、自転車も定期的に手入れが必要です。Zのアプリでインドアサイクリングした後は、床の掃除も必要です。
子どもが寝ている時間しか運動(準備の作業含む)が出来ない現状、準備片付けの工数が非常に少ない点はランニングのメリットです。
公共交通機関を使い易い
速度と継続出来る運動時間の都合上、ランニングは自転車より行動半径が狭くなりがちです。ただ、ランニングの場合、スマホと自宅の鍵しか持ち歩きません。よって、電車やバス・タクシーを利用するハードルは非常に低いと言えます。
自転車で公共交通機関を利用する場合、原則輪行袋を持ち歩く必要があります。その上、服装やシューズの問題が発生します。現実的には、事前に輪行を前提とした準備をしていなければ、当日思いつきで輪行するのはほぼ不可能です。
行動半径を広げる目的、事故やトラブルetcの緊急時、いずれにしても公共交通機関を容易に利用出来るのは、ランニングのメリットだと思います。
イベント開催地へのアクセスが良い
ランニングの大会は、私が参加予定の大阪ハーフマラソンの他、大阪マラソン・神戸マラソン・猪名川マラソンetc都市部・生活圏の近くで多くの大会が開催されています。
これらの大会は、京阪神地区から電車・日帰りで容易に参加が可能です。
自転車レースの場合、このような都市部では大々的なレースはめったに開催されません。金銭面や道路を封鎖する距離の長さ・社会的認知度etc様々な問題から、サーキットや公園内のコースを走る大会が目立ちます。
特に、私が主にヒルクライムレースの場合、そもそも長い上り坂が必要です。自ずと、大会は郊外や地方のアクセスが不便な場所で開催されます。
その上、自転車の大会に参加するためには、自転車を持ち運ぶ必要があります。
大会開催地の立地と自転車を持ち運ぶという都合から、電車で参加出来る大会には限りが有ります。クルマが無くてもイベントに参加しやすい事は、ランニングの良い点かもしれません。
初期投資費・維持費が少ない
弊ブログは基本「断言」をしないのですが、これに関しては断言します。初期投資が少なくてすむのは、間違いなくランニングです。
私がランニングを始めるにあたり、
- シューズ 12千円
- ランニング用パンツ 4千円
- ウェストポーチ 5千円
を購入しました。Tシャツと靴下は、今のところ自転車用のモノ使っています。どの靴下を履いても靴ずれしてしまうので、靴下は早めに専用品を購入しようと思いますが。
ここまでで、使った金額は計2.5万円程度です。今後Tシャツと靴下を購入しても、3万円あれば一式揃える事が出来ます。今後、冬用のウェアは必要になるかもしれませんが。
ランニングの維持費は、まだ始めたばかりなのでよく分かりません。シューズは、自転車よりも頻回に交換が必要になるだろうとは思っています。
一方の自転車。3万円の予算では全く始められないのは皆様ご承知の通りです。「始める為の金銭的ハードル」は、ランニングの方が(圧倒的に)低いです。
自転車の場合、初期投資額はどんなに低く見積もっても、ランニングの3倍(10万円程度)は必要だと思います。それでも、買えるのはクロスバイクだと思いますが。
その上、自転車は維持費(or手間)が掛かります。チェーンやギヤ周り、ブレーキ関係は走行距離に応じて消耗します。タイヤやブレーキオイル(ワイヤー)は、走行距離に関係なく定期的な交換が望まれます。
部品交換に際して、作業をショップに依頼するのであれば工賃も必要です。選ぶ製品のグレードにも寄りますが、年1~2万円程度の予算では、自転車は維持すら難しいでしょう。
交通事故リスクが低い
最後はコレ。会社員・自営業者・学生・主婦etc、社会的にどんな立場であれども、交通事故には遭いたくないものです。こちらでも記載していますが、交通事故に遭って良い事など一つもありません。
自転車もランニングも、殆どの場合公道を使って運動をします。従って、どちらの趣味を選んだとしても、交通事故に遭う確率は一定割合存在します。
- 歩道をランニング中に交通事故に遭う確率
- 車道を自転車で走行中に交通事故に遭う確率
どちらが高いのかは、明確なデータを持ち合わせていないのでここでお示しする事は出来ません。
ただ、ひとたび事故に遭った場合、自転車の方がスピードが出る分被害が大きくなるのは、肌感覚的にも分かる話だと思います。
加えて、自転車の場合は操作ミスによる単独落車も起こり得ます。ランニングも転倒のリスクはありますが、
- 転倒する可能性が高い
- 酷い怪我をする可能性が高い
のは、自転車では無いでしょうか?
自転車の良い所
ここまで、ランニングのメリットを挙げて見ましたが、ここは自転車の方が良いなと思うことも幾つかあります。
長時間運動がし易く、ダイエットに向いている(気がする)
筆者がランニング初心者というのも関係していると思いますが、ロードバイクのように長時間ランニングを続ける事はできません。
1時間当たりの消費カロリー量は、ペースさえ保てば自転車とランニングでそこまで違いは無い印象です。ただ、心拍数etcから判断するに、エネルギー源は脂肪ではなく糖が多く使われていると想像します。
ダイエットの観点から言えば、運動時間を伸ばして消費エネルギー量を増やしたいところです。ただ、筆者は現状1時間程度走ると脚が終わってしまいます。長時間ランニングをするためには、トレーニングを積んで着地衝撃に耐えられる脚をつくる必要があります。
自転車の場合、身体に着地衝撃の負荷は掛かりません。よって、自転車の方が長時間の運動には向いていると思います。体重を落とすのが目的であれば、ランニングより自転車の方が向いているように思います。
クルマ必須のエリアに行く事が出来る
先に、「ランニングの方が公共交通機関を利用しやすい」と書きました。ただ、全国くまなく公共交通機関が張り巡らされている訳ではありません。自家用車が無ければアクセスが非常に良くない地域も、多数存在します。
もしランニングでこのようなエリアに行くと、公共交通機関の時刻表に縛られた行動スケジュールを組まざるを得ません。何らかの理由でバスや電車を逃したら、次は数時間後という事も起こりえます。
自転車の場合、公共交通機関の時間を気にする必要はありません。寧ろ往々にして、そのようなエリアほど自転車で走るには都合の良い事が多いです。
「山奥の名所や飲食店巡り」のような事がしやすいのは、自転車の良い点だと思います。
故障しにくい
一般論として、自転車はランニングよりは身体への負荷が低く、故障しにくいと言われています。
ただ、これに関してはかなり個人差が有るのでは?と考えています。
「エンジョイレベル」であれば、自転車の故障率は非常に低いと思います。ランニングの場合、「エンジョイレベル」でも故障し得ると言うべきかもしれません。
一方で、故障は個人の管理の問題も大きいと思っています。自分のキャパを把握して強度・距離をコントロールしなければ、自転車でもランニングでも故障はすると思います。
機材の選択肢が多い
自転車は、車体だけでも沢山のメーカーがあり、コンポやホイール・タイヤ等にも様々なメーカーが存在します。
これらの組み合わせは、無限に近いほどです。(最近は、車種毎の専用部品しか使えないバイクも散見されますが)
- 自分好みの機材を探す
- 機材でオリジナリティを出す
これらは、ランニングでは出来ない、自転車の良いところだと思います。
まとめ ランニングのメリットは多い
「自転車のヒルクライムレースを頑張りたい」というお題目のブログでこの結論を書くのもどうかとは思います。
ただ、様々な観点から自転車と比較すると、ランニングは良い点が非常に多いと感じました。特に、都市部での「やりやすさ」とコスト面は、天と地ほどの差があるように思います。
- これから、自転車かランニングを始めようかな?
- 今は自転車に乗っているけど、ランニングってどうなの?
という方の参考になれば幸いです。