先日、ランニングを始めた当初の目標だった大阪ハーフマラソンが終わりました。(参加の記録はこちらより)
本記事では、ランニングを始めて分かったことや、今後のヒルクライムに活かせそうな事をまとめてみようと思います。
結論からいうと、マラソンと自転車ヒルクライムは競技時間が異なる為、トレーニングの親和性は低いように感じました。
この4ヶ月の出来事、やった事
月間100km走行
マラソン界隈では、月間走行距離は300km/月がひとつ目安のようです。ロードバイクで言うところの、1,000km/月のランニング版だと理解しています。
単純計算ですが、毎日10km休み無く走れば300km/月です。ただ、ロードバイクでも週3~4回しかトレーニングをしていなかった私が、ランニングでコレをやるのは非現実的です。また、目標はフルではなくハーフマラソンでしたので、300km/月は目標に対して過剰だとも考えました。
現実的に「まず100km/月をクリアした上で、150kmに少しでも近づける」というスタンスでトレーニングをしました。
実際、11月と12月は100km以上走る事が出来ました。1月は、年始から2週間近く家族の誰かが風邪で発熱している状態が続き、週末にトレーニングをするのが難しい状況でした。結果、大阪ハーフマラソン本大会を含めても、95kmで終わりました。
走力は、12月末がこの4ヶ月で最高だったように思います。1月は、練習不足で走力も下降線でした。
靴擦れの発生
ランニングを始めた当初X(Twitter)にも書きましたが、最も悩まされたのは靴ずれです。
足の母指球から1cm程度下(土踏まずの上側)に、ランニングをすると毎回靴擦れが起きていました。その内1回は酷い水ぶくれにまで発展してしまい、皮膚科にも行きました(苦手な人も居ると思うので、画像は自粛)。
テープを貼る、ワセリンを塗るetc様々試しましたが、決定的な対策はみつかりませんでした。
- シューズの土踏まず部分アーチの高さ (土踏まずとシューズがスレやすくなる)
- ぶ厚い靴下 (土踏まずとシューズがスレやすくなる)
推測ですが、これらの理由が絡み合って靴ずれが起きていたと考えています。
実際、靴下を薄手の製品に変更して以降、靴擦れの発生頻度が下がりました。最終的にシューズが足に馴染んだのか、今では靴ずれは起こらなくなりました。
分かった事
機材の合う合わないを感じた
シューズ選びは、思っていたより難航しました。先述した、靴擦れの問題があったためです。
結局、シューズは3足購入しました。まずは、購入した3足とその特徴をまとめます。
- Adidas アディゼロSL:入門ランナー全般 ~ エリートランナーのトレーニング用。軽量で靴底の反発素材なし
- Adidas ボストン11:アディゼロよりやや上級者向け。靴底に反発素材がある代わり、アディゼロより重い
- NIKE ペガサス40:軽量で靴底の反発素材なし。特筆する特徴を持たないのが特徴、万能シューズ
購入したものは、以上の3足です。それぞれのシューズを購入した理由は
- アディゼロ:Xでフォロワーさんに教えて頂き、入門者に最も無難であろうと判断し購入。
- ボストン:高反発素材のシューズを履いてみたかったのと、靴ずれの問題があったため。1足目とメーカーを変えると違いが分かりにくいと思い、1足目と同じadidasの上級グレードとした。
- ペガサス:アディダスが2足連続で靴ずれしたので、メーカーを変更。着用初日から1度も靴ずれは起きず。最も足には合っているように思う。
フィット感だけで言えば、NIKEのペガサスが最も足に合っていると感じました。初めて履いたときから一度も靴擦れが起きていないのは、それだけでかなり好印象です。
ただ、adidasの2足も足に馴染んできたのか、今では靴ずれしなくなったのは前述の通りです。
じゃあNIKEがお気に入りなのか?と聞かれると聞かれると、現状そうとも言い切れず。
アディゼロとペガサス40を比較すると、
シューズのフィット感:NIKEペガサスが好み (アディゼロは、母指球部の幅が広い事と、つま先部上側に隙間がある気がする)
走行感:adidasアディゼロが好み (ペガサスは、着地の際に沈みすぎて、足裏が疲れやすい気がする)
と感じています。それぞれの走行距離が違うので、走行感については慣れの問題がある可能性は否定出来ませんが。
なお、adidasボストン11は、もっとランニングの経験値(筋力)を積んで反発素材を活かせるようにならないと、ただの重いシューズになってしまう気がしました。走り方も、反発素材を活かすフォームにする必要があるのかもしれません。
結局、大会本番は最初に購入したアディゼロで走りました。
ランニングシューズは、上級グレードが良いとは限らない
ランニング用のシューズは、物理的に足に合うことが大事。その上で、走力に見合ったシューズを選ぶ必要があるなと感じました。グレードの高低や◯◯選手が履いてる云々よりも、自分の力量に合うかの見極めが重要です。
この話、確かにロードバイクにも機材の合う合わないは存在します。ただ、ジオメトリー表とハンドルやステムの各種サイズをキチンと確認して購入すれば、「物理的に合わない」問題はほぼ回避できます。
物理的に合うバイクとサイズが決まると、次はグレード選択です。
上位グレードのバイクは、一般的に剛性が高く軽量。その代わり、振動吸収性が低い事と剛性の高さ故に脚が疲れやすい傾向にあります。
ただ、昨今タイヤの幅が広がってきた事もあり、振動吸収性はタイヤ選択と空気圧調整でかなりの部分をコントロール出来るようになりました。
上級グレードのバイクの方が乗った感触が良いと思える事は多々あります。その性能を活かせるかは別ですが、「乗るだけ」であれば初心者でも普通に乗れてしまいます。
結果として「ロードバイクの場合、(金額を無視すれば)敢えて低価格帯のモデルを選ぶ理由に乏しい」と言えるかもしれません。
一方のランニングシューズ。前述したとおりadidasの上級モデル(ボストン)は筆者の足には合いませんでした。「筆者の走力では、シューズの性能や特徴がデメリットになる」の方が正しいかもしれません。
高反発素材を活かすフォームを体得出来ておらず、その筋力も足りません。そもそも、4’30/km程度の速度でしか走れない、絶対的な走力も不足しています。
高価格帯のシューズは靴底の合成が高いため、着地の衝撃に伴う筋疲労も溜まりやすく感じます。
仮にエントリーシューズの方が高価であっても、筆者は安価な上級モデルではなく高価なエントリーシューズを履くと思います。それくらい、上級モデルとエントリーモデルは性質が異なると感じました。
「財布が許すならデュラエース」のような選び方は、ランニングシューズでは出来ないと思います。
トレーニングに対する理解が深まったように感じる
トレーニングは、総距離や総時間大事ですが、トレーニングの間隔も同じくらい重要だと感じました。
ロードバイクの経験上、トレーニングの間隔が3日空いてしまうと、競技力は前回のトレーニング前まで戻ってしまう印象です。4日だと、ややマイナスです。
その意味で、競技力を維持向上したければ、週末は土日共にトレーニングするのが大前提。その上で、朝練を最低でも水曜に1回。出来れば火曜木曜で週2回は必要と考えています。
11月と12月は、これが出来ていました。その時は4’15/kmのペースで5km以上走れていたので、これを1月末まで継続出来ていれば、大会本番どれくらいのタイムで走れたかな?という思いがあります。
- フルマラソンでサブ3(ランナーの上位5%程度)を狙うのであれば、週4回程度のトレーニングが最低ライン
- サブ4(ランナーの上位3割程度)が目標であれば、ここまで根詰めてトレーニングをしなくても達成出来るのでは?
ざっくりですが、このような印象です。
マラソンのトレーニングはヒルクライムには効かないと思う
ハーフマラソンの競技時間は、超一流ランナーでも1時間以上です。筆者のような初心者であれば、1時間半以上。フルマラソンであれば、単純計算で倍以上になります。
一般に、アマチュアランナーとしてはフルマラソンでサブスリー(3時間切り)を達成すれば、一流だと思います。ただ、それを達成するには、運動強度を3時間近く保つ能力が必要です。
「ヒルクライムレースを頑張る」というテーマでトレーニングをしてきた筆者は、フルマラソンやハーフマラソンの競技時間に身体が対応出来ていないと感じました。21km走るトレーニングをしても、毎回16km前後からガクっとバテてペースが落ちていました。
今回、ハーフマラソンの21kmを手元の時計では1:37:00で完走しました。じゃあ、フルマラソンを3:20:00弱で完走出来るか?といわれれば、間違いなく否。いまの走力では、4時間切りもかなり厳しいと思っています。
最初からペースを大幅に落とせば完走は出来るかな?とは思いますが、筋力と代謝能力不足で後半ペースが落ちるのは間違いありません。
- 脚の筋力(スタミナ)
- 補給をしながら、3〜4時間運動強度を維持する代謝能力
現状では、フルマラソンを走るためにはどちらも致命的に不足しています。フルマラソンを完走したければ、ここを鍛える必要があると感じました。
一方、自転車ヒルクライムレースで競技時間が1時間近くに及ぶ大会は、富士ヒルや乗鞍etc一部の大会に限られます。地方のローカルレースになれば、優勝者のタイムが30分前後の大会も決して珍しくありません。
極論、ヒルクライムレースは30分出せる強度を高めるだけで十分です。もしもっと上位を目指したければ、プラスアルファで3分程度の出力上限を引き上げる事と、その領域の繰り返し能力が必要になると思いますが。
ヒルクライムで求められるこれらの能力は、(少なくとも筆者レベルの走力では)マラソンには必要無いと感じました。幾ら最初の30分のタイムが良くても、その後数時間にわたって強度を保てなければ、意味が無いからです。インターバル的な負荷も、殆ど必要ありません。
以上より「ヒルクライム→マラソン」への移行は、かなり難しいという印象です。逆に「マラソン→ヒルクライム」の方は、マラソンの身体にヒルクライムの要素を肉付け出来るので、比較的移行しやすいのでは?と思いました。
なお、同じ自転車レースでもツールドおきなわのようなロードレースを主戦場にしている方は、マラソンのトレーニングと重なる要素が大きいかもしれません。
朝練はランニングの方がキツい
「1時間の自由時間は、室内でローラー台を回すより外を走りたい」
「ランニングをはじめました」の記事には、このように書きました。この考えは、いまも変わりません。
ただ、これ季候が良い時期の話でした。
ヒルクライムのシーズンは、春~秋です。シーズン中の平日早朝朝練は、自ずと春~秋にやることになります。厳密に言えば、冬から初めてますが。
ところが、マラソンのシーズンは冬です。マラソンの大会を目標にするなら、朝練は真冬にやらなければなりません。結果、真冬の早朝気温も低くまだ陽も出ていない時間に、外でランニングをしなければなりません。
1時間トレーニングをする場合、室内でローラー台を回すよりはランニング実走の方が圧倒的に楽しいです。ただ、それは日中の季候が良ければの話。真っ暗で寒い真冬の早朝であれば、正直室内でローラー台の方がマシだなと。
ちょっと考えれば当たり前の事ですが、ランニングを始める事で気がついたので記載しました。
コレの対策として今考えているのは
12月初旬くらいのフルマラソンを走ったら、マラソンのシーズンは終了。逆に、自転車のヒルクライムは12~6月くらいで終わり。7月以降は、12月のフルマラソンに向けてランニングをする。
こんな割り振りが良いのかな?と考えています。丁度、ヒルクライムレース一番のイベントが6月頭に開催されます。コレを走ったらマラソン練に移行。
まとめ
靴擦れは余計でしたが、それ以外はランニングにチャレンジしてみて良かったなと感じています。
なお、先日約半年ぶりにロードバイクに乗って六甲山(途中まで)を登りました。全盛期は29分半くらいで通過したポイント、今回はそこまでに39分も掛かりました。
自転車の復活は、前途多難な予感です。