ヒルクライム レース

ツール・ド・美ヶ原2023 男子C 55位


表題の通り、ツールド美ヶ原2023に参加しました。一般男子Cでエントリーし、結果は55位。タイムは、1時間21分53秒でした。

残り4km地点くらい(ラスト5km看板は通過、ラスト3km看板の手前)で、後輪がパンクしました。なお、後から分かりましたが、パンクした時は前から3番目を走行中。そのままゴール出来れば最終リザルトは3 or 4位だったと思います(パンク直前に4番目を走っていた人とは僅差だったため、ゴール前で逆転される可能性がありました)。

レース前日

高速の深夜割引を使いたいので、4時までに高速に乗ります。そして、ヒルクライムレースは日曜早朝スタートの事が多いので、普段であればこのタイミングで1食目の食事をします。ただ、今回のレースはスタート時刻が日曜の朝8:20。普段の生活と変わらない時間帯だったので、朝食も6時半頃まで食べずに移動しました。

松本に着いたら、クルマでコースを下見がてら登ります。

クルマで山頂に行った1番の目的は、ゴール前ラスト5kmの試走です。

ツールド美ヶ原は、残り4km地点が実質的な最高標高地点となり、そこから先はアップダウン(地形的にはダウンアップ)を数回繰り返してフィニッシュします。ダウンヒル区間は、ペダルを漕がなくても50km/h以上のスピードが出ます。加えて、下り切った先の谷がコーナーになっていて、そこから登り返すというレイアウトです。

従って、この区間は上手に走れば脚力に関係なくタイムを削れるポイントです。後述しますが、私はライバル選手よりも脚力が劣っている事が分かっていたため、この区間で(セコく)タイムを削ろうと考えました。

残り5km地点~フィニッシュを3往復して

  • 下りでどれくらいブレーキを掛ける必要があるのか
  • アウターで登り切れる登りとインナーに落とす必要がある登り
  • 適正なタイヤの空気圧

これらを確認しました。結果的に、全く意味無かったんですけど。

山頂の試走後は、昼食を挟んで次は新コース区間の試走。5月の大雨で、美ヶ原名物?の激坂急勾配区間が崩落。今年は、普段の下山ルートを使った代替コースとなっていました。

代替ルートは、分かり易い急な区間こそ無いけれど、私の脚力ならインナーロー(36-27)になるだろうなという区間が何箇所かありました。ただ、それよりも道幅が狭いので、ネットタイムと言えどなるべく前でスタートした方が良さそうだと感じました。

試走と受付を終え、街中を散歩&夜ご飯へ。

行きたかったアレッタと言うピッツェリアが、イベント出展の都合でまさかの臨時休業。と言うことで、数年前に行った写真を載せておきます。山賊ピザ、美味しかったですよ。

レース編

事前のプラン

公言はしていませんでしたが、目標は6位入賞以内。なお、妻には出来れば3位以内(メダル圏内)に入れるよう頑張りたいと言っていました。

EMU SPEED CLUBのグループチャットで

  • TYさん
  • shimoさん
  • segawaさん

このメンバーと戦う事が分かっていました。彼らは皆、今年の富士ヒルでゴールドリングを獲得した実力者です。私はご承知の通り?、去年シルバー。

コンディションは、一応今年イチ上がっていました。しかし、脚力的には2019年頃の過去最高レベルには遠く及びません。その昔、ヒルクライムの年代別では※何回か勝った事がある私としては、今の自分がレースで勝つレベルにない事は自分が1番分かっていました。

今回のように、ネットタイムの山岳TTであれば、PWRが全てです。TYさんと事前に連絡をとりましたが、私の直近の数値は明らかに彼らより劣っています。敢えて言うなら、富士ヒルにコンディションを合わせたであろう彼らは、1ヶ月もコンディションを維持するのは難しいでしょう。1週間前、ニセコを走った人もいます。

それらも加味すると、3人のコンディション如何では、誰かには勝てるかもしれない。けど、全員に勝つのは恐らく相当厳しい。

その上、上記3名以外にも、私よりレベルの高い選手が何名かはエントリーしているはずです。実際、前日にナガレさんが同組である事が発覚。これで、また入賞枠が一つ減りました。

と言うことで、PWRで劣る私としては

  • 美鈴湖の平坦区間を過ぎるまでは、先頭集団で位置取りする。上記4名の誰かがペースアップor未だ見ぬ誰かのペースアップに上記4名の誰かが反応した場合は、オーバーペースでも食らいつく。
  • 美鈴湖以降は、終盤のアップダウン区間まで積極的にペースメイクに参加する。
  • もしアップダウン区間に複数名で入った場合、集団の先頭で走る。

「誰かに食らいつく」を基本戦法として、目標は6位入賞です。

※(「〇〇で優勝しました!あ、でも年代別ですけど」っていうやりとりがあると思うんですけど、この話はややこしいですよね。チャンピオンクラスで走っている人から見れば「いや、お前年代別やん」ってなるし、かと言って自分で「いや、どうせ年代別ですから」って謙遜?卑下?すると、それも多方面にリスペクトを欠く発言になってしまうと思います。)

ウォーミングアップ

昨年富士ヒルの反省を活かして、発汗量と水分補給に注意しました。

15分程度軽く脚をまわし→5分L4走→30:30のL5走を3set。これでお終い。

脚攣り対策として、芍薬甘草湯とバナナを摂取しました。効果があったのか、脚攣り寸前にはなりましたが、完全には攣らずに済みました。

使用機材

  • フレーム:Emonda SLR2018 リムブレーキモデル
  • ホイール:Roval CLX50
  • タイヤ:Michelin PowerTT 25c
  • チューブ:Magene EXAR TPUチューブ
  • コンポ:Sram eTap 11s ギア構成52-36・11-27

空気圧は、4.5Barとしました。

レース本編

本項は、私の記憶を頼りに書いています。答え合わせは、shimoさんやTYさんの車載動画にて。

8時前に、えーぞうさんたちが宿泊されているホテル前に行って、皆様にご挨拶。その後、スタート地点の会場に移動しスタートを待ちます。

8:20に号砲。今年は1km弱のパレード走行区間があるので、クリートキャッチは焦らずに済みます。

住宅街を抜けて、最後の交差点を右折したらタイム計測スタート。前目に位置取ってはいましたが、それでも10人くらい?が前方におり、追い越しに苦労します。

1分程モタついていると、右の隙間をフラッシュイエローのジャージを着た人がかっ飛んで行きます。ナガレさんです。これは、shimoさんが反応。私も追いかけます。ついて行くしかないのでパワーは見ませんが、体感5.0~5.5倍くらい。

追いつくと、その後はshimoさんがイーブンでペースメイク。数分毎に、ナガレさんがダンシングでペースを上げるという展開で新コース区間が終了。

私は、オーバーペースを感じながらも、前から5人目以内に位置取る事だけを考えて走っていました。同時に、山岳TTにも関わらず出し入れの激しい展開になり、個人的にはこれは好都合だと思っていました。

従来の、激坂を上り終えた交差点辺りからは、shimoさん漢の一本引き。さすがです。

そして、ココの記憶が曖昧なのですが、美鈴湖手前の勾配が一瞬上がる区間か、美鈴湖を過ぎてからの勾配が上がる区間のどちらかで、黄色いジャージを着た方が一人スルスルっと抜け出して行きました。どっちだったかは、どなたかの動画で答え合わせが必要です。

この飛び出し、逃げ切り狙いにしては早すぎるし、上記4名が誰も追いかけなかったので私も見送り。登りとは言え、全員で回していけばどこかで追いつくだろうと判断しました。

ただ、結果的にこの方が優勝されました。おめでとうございます。

アタックって感じは無かったのですが、スルスルっと行かれてしまい、アレ?っという間に視界からいなくなっていました。絶妙なタイミングで行かれたと思います。凄かった。

美鈴湖を過ぎてからは、約40分の林道登坂。この時点で、先行した1名を除き、15名弱くらいの集団になっていたと思います。

ここからも、ナガレさんが前方でペースメイク。なお、ここから先は私もローテに参加します。パワーメーターはここまで一切見ていませんでしたが、自分が前を引く時は見ます。4.7倍くらいで、最後まで脚が保つギリギリのペースをキープします。

第一給水地点を過ぎ勾配が一瞬緩む区間で、黒いジャージの方と黒赤ベースのジャージの方が2名飛び出します。私の前に居たShimoさんは、すかさずチェック。私は微妙に反応が遅れてしまい、「20mくらい前に3名と、私を含む集団(後ろの人数不明)」に分かれてしまいました。

これは、追いつかなければ完全にレースが終わるパターンのやつ!ということで、全力で追走開始。自分だけが脚を使わされる展開は避けたかったのですが、この時だけは自力で追いつくつもりでした。若干中切れ起こしたような感じでしたし。

数分後、無事前方に飛び出した3名を回収。息を整えたところで後ろを確認すると、最終的に3位になったピンクのジャージの方と私・前の3名の計5名になっていました(だったと思います)。

以降、特筆するエピソードは無く残り4km地点まで我慢比べの展開。基本はshimoさんが引く。私も、スポットでチョロ引き以上鬼引き未満な感じで前に出ます。いつの間にか、集団はshimoさん・ピンクジャージの方・私の3名になっていました。

残り5km地点の看板を過ぎて、勾配が上がる区間でshimoさんがややペースアップ。ピンクジャージの方がチェック。ここまできたら3着(ネットタイムだから3位かは分からない)でフィニッシュしたかったのですが、私は脚が終わりかけていたので数m後方でギリギリ粘る感じ。

実質的な山頂地点を過ぎ、尾根へ。ピンクジャージの方に「私はコーナーと下りが遅いので、前出てください」と言われたので、「いや、私も速くないです」と一瞬思いつつも前へ。

下りは、先頭で入った方がラインやブレーキのタイミングを自由に取れるからです。実際、幾つかのコーナーを通過して後ろを振り返ると、10~20m程度差がついているように見えました。

ヨシ、これで3着いけるぞ!

と思った矢先に、全く想像もしていなかった事態発生。

後輪が柔らかい気がする…

ウソでしょ?と思いつつも、止まって確認なんて勿論出来ません。あぁ、ピンクのジャージの方には抜かれるだろうな。けど、完走できれば4着には入れるかな。なんとか、あと5分ちょっと粘ってくれ!

…が、バルブの部分が地面を叩く衝撃が、明らかに強くなってきます。どう考えても、残り3km強は走れません。ホイールが壊れても困ります。この間、たぶん10秒無いくらい。

マジか、終わったわ。

コーナーとコーナーの間の短い直線区間の山側で、バイクを止めます。クリートは普通に外せましたが、両脚が攣ってしゃがみ込めません。

痙攣が治まり、後続に突っ込まれないよう路肩に入り込み「さてどうしたものか」と。空気は完全に抜けてしまっていました。ゆっくりでも、乗ってゴールまで行くのはムリそうです。ビンディングシューズのまま、路肩を3km押し歩くのが現実的か。

そんなことを考えながらぼーっと目の前を走って行く選手を見ていると、マウンテンバイクに乗った方が「大丈夫ですか?ケガですか?」と声を掛けてくれました。大会オフィシャルの、サポートの方でした。パンクした旨をお伝えすると、「チューブ入れたら走れそうですか?」と。

あまりに気が抜けていたので、パンクの原因・タイヤやホイールの状態を確認していませんでした。ざっと見た感じ、タイヤが裂けてはいなさそうです。チューブも確認しましたが、パっと見ではどこから空気が漏れたのか分かりませんでした。

これならチューブ交換で自走出来そうだと判断し、サポートの方からチューブを頂きます。パンク修理をして、コースへ復帰。

その後は、景色を見ながらサイクリング。パンクをして路肩にバイクを止めた瞬間にガーミンのラップを押してしまったので、順位は勿論タイムも不明。

フィニッシュ後、先着した皆さんにパンクした旨をお伝え。「私はダメでしたー」と。コレ、去年の富士ヒルでも言ったよな。

Shimoさんは、速報ベースで年代別2位。2番手グループの中で一番レースを作っていらっしゃったので、順当な結果に繋がって良かったです。聞けば、私と同じようにお子さんが小さいとのこと。本当に素晴らしいです。

下山待機中と下山中は、えーぞうさんと色々お話。だいぶ放心状態でしたが、お話しできて楽しかったです。本当にありがとうございます。

最終リザルトは、1時間21分53秒 男子Cの55位でした。なお、パンクがなければshimoさんの次にフィニッシュしたとして、1時間6分30-50秒くらい。順位は3位か4位だったでしょう…入賞・もしかしたら表彰台を逃しましたね。

振り返り

良かった点 自分の走りには納得できた

昨年富士ヒルの反省を活かして、毎月1回は1時間走をやっていたのが功を奏したのか、最後まで失速せずに済みました。なお、脚は今年も攣りかけましたが。

大会(コース)によっては、20分ちょっとで終わってしまうものもあります。コースの都合上どうしようもない話だとは思いますが、個人的には1時間近く登るレース(コース)の方が楽しく、自分に向いている様に思います。

富士ヒルに参加出来なかった分、コンディションやエネルギーをこの日に集中出来たのも、良い走りに繋がったと思います。数値的にも、ベストは尽くしました。

良くなかった点 空気圧の設定ミス

個人的には、パンクは空気圧の設定ミスだと思っています。終盤にダウンヒル区間がある事で、空気圧を落としすぎたのかなぁと。

コーナー手前で多少ブレーキが必要になりますが、4.8barくらい入れておけばパンクは防げたかもしれません。というのも、前日の試走で4.5barならノーブレーキで突っ込める事を確認していました。

それか、5.0bar入れても走行感が変わらないブチルチューブを使った方が良かったのかもしれません。

パンクについて考察

帰宅後にチューブを確認したところ、1mm程度の穴が2つ空いていました。この特徴はもう完全にリム打ちパンクやがなー。

TPUチューブは、多くの方が感じられている通り、乗り味が硬くコーナーで跳ねがちです。この対策として、空気圧をブチルチューブやラテックスチューブよりも少し落としている方が多いと思います。ただ、ご承知の通り、過度な低圧走行はリム打ちパンクの原因になります。

当日朝、私は空気圧を4.5barに設定していました。体重は58.5kg程度(前日計測)、バイク重量は6.6kgです。

これは、事前に数回使ってみた結果と、前日の試走(路面状態とコーナリングのフィーリング)で決めました。普段のサイクリングであれば、こちらの記事で書いたとおり4.3bar程度にして運用していました。ただ、今回は路面の荒れ具合やダンシング中のタイヤの潰れ方を鑑みて、少し高めに設定しました。

これが、今まで通りマキシスの軽量ブチルチューブであれば、恐らく5barにしていたと思います。

ブチルチューブを使っていたらパンクせずに入賞していたかは、勿論分かりません。確かなのは、TPUチューブの低圧運用でリム打ちパンクしたという事だけです。

そして、このリム打ちパンクについて。

TPUチューブは、対パンク性に勝るという謳い文句が各種メディアで散見されます。

ただ、これは恐らくですが、ブチルチューブやラテックスチューブと動圧で比較した場合の筈です(でなければ、比較に意味が無い)。そして、耐パンク性能アピールの動画を見る限り、異物突き刺しに対する強さのようです。つまり

  • TPUチューブが、リム打ちパンクにも強いのか? (恐らく対異物と同様に強いのだと思いますが)
  • 空気圧を4.5に落としたTPUチューブと、5.0のブチルチューブはどちらがリム打ちパンクしやすいのか?

これらが分からないので断定は出来ませんが

ゴムチューブと比較して乗り味が悪い・コーナーで跳ねるからといって空気圧を落とすと、リム打ちパンクのリスクは上がる

これは言えると思います。

今回リム打ちパンクでレースを落として、これなら通常の空気圧で運用できるブチルチューブの方が良いのでは?と個人的には思いました。今まで何十回とヒルクライムレースを走っていますが、パンクでレースを落としたことはありませんので。

なお、念のため断っておきますが、これはTPUチューブやメーカー・代理店を批判したい訳では無く、単に筆者の感想です。結果的にパンクでレースを落としたからこのように感じた・考えたのであって、パンクをせず入賞していたら、今後もTPUチューブを使っている可能性はあります。要は結果論ですね。

その他、タイヤが軽量タイヤというのもパンクリスクにはなりますが、今回はリム打ちですのでタイヤはあまり関係無い筈です。

まとめ

諸々の都合があり、今年はもうレースには出ない予定です。それもあり、出来れば入賞したかったです。

最終的なリザルトは残りませんでしたが、個人的に満足の出来るレースは出来ました。去年の富士ヒルの失敗があり、今回のレースがあったと思います。

この失敗も、また来年どこかの大会に繋げられれば良いなと思います。


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