機材 考え方

ほどほどの自転車も便利という話 仕様編


先日、Zwift専用機としている2008年式バイクのシートクランプが壊れました。厳密にいうと、サドル高を微調整した際に、シートクランプ内にあるナットのネジ山が一部剥れてしまいました。

交換前の写真は撮り忘れてしまいましたので、交換後の写真を。クランプ左側に入っているナットのねじ山が壊れてしまいました。

おめじめねじ、どちらかのネジ山に異物があったのか?ボルトが斜めに入ってしまったのか?2008年式という事もあり単にネジの寿命だったのか?原因は分かりませんが、ネジを留めてシートピラーを固定しないことにはZwiftができません。

ナットの再タップという方法も選択肢としてはありましたが、ボルトの頭もかなりサビていたので潔く交換することにしました。

一連の経緯を通じて、専用品が殆ど使われていない自転車の良さを改めて感じました。昨今、何から何まで専用品で固められた自転車が多いですが、このようなメリットもありますよ?という事で、記載したいと思います。

破損以降の経緯

  • 金曜:破損。ホームセンターと近所のあさひに行ったが、ナット・シートクランプの取り扱いがない。
  • 土曜:アマゾンで注文。
  • 日曜:パーツが届き、その夜には直った。これでまたZwiftが出来る!(実際にはその間、エモンダを使ってズイフトしていましたが)

短くまとめると、こんな感じです。

経緯詳細

金曜の仕事後、ホームセンターに行って円柱形で中央部にタップが切ってあるナットを探しました。

しかし、自転車専用なのか、そのような製品は見つかりませんでした。(なおそもそも論として、ホームセンターでばら売りされているネジやボルトを自転車に使ってもよいのか?という問題があります。強度面etcを含め目利きが出来る人以外は、やめた方がよいと思います。実際私も、そのようなスキルがあるわけではありません)

なお、近所のサイクルベースあさひにも、シートクランプはQR式しか店頭在庫がありませんでした。

そしてこの土曜は、土曜出勤日。自転車ショップには行けず、結局アマゾンでシマノプロの汎用クランプを注文しました。

日曜午後にパーツが届き、娘を寝かした後に取り付けして無事修理が完了。

修理完了までのこのスピード感は、自転車が汎用部品で構成されているメリットです。(アマゾンに助けられたのは間違いありませんが)

専用品だった場合

もし破損した部品が専用部品で、ショップに行かないと注文できない場合はどうなっていたでしょうか?週末が休みのサイクリストと仮定すれば

  • 金曜:破損
  • 土曜:ショップで部品発注、自転車預け。
  • 月曜:メーカー・代理店が部品発送
  • 水曜:ショップに部品到着(ショップが定休日であれば、翌営業日)
  • 土曜:ショップにて受け取り

全てがうまくいけば、1週間強で直ります。コレなら悪く無いと思います。

ただ、週末に予定があってショップに行けなければ、それだけで修理に必要な期間が1週間伸びてしまいます。そして、昨今の情勢で、代理店・メーカーに在庫があるとは限りません。もし無ければ、部品がショップに入ってくるまではその自転車には乗れません。

ちなみに、私がスペシャリッシマを購入しようとした20221月時点、ACR120mmのステムが納期不明でした。なお、確認したところ20231月の現在も納期不明のまま変わりないようです。これ、スペシャリッシマの専用品ではなく、ただのステムでこんな状況です。

また、作業内容も問題になります。今回のような軽微な作業であれば、普通は?その場でやって貰えると思います。ただ、水曜以降に部品がショップに届いても、ショップが混雑していればそこから更に1週間必要です。

現状のシステムでは、どこか一つ噛み合わないだけで簡単に1ヶ月以上乗れなくなるリスクを抱えていると感じます。

40km/h走行時の数wを減らす為に、犠牲になるモノが多い気がする

昨今のロードバイクに専用部品が増えている理由、おそらくは速さを追求した結果だと思います。よくある「○○km/hで走行時に△w削減」とアピールする為です。

各メーカーが独自の規格・製品を使う事で自社の売り上げや利益は増えると思いますが、それが第一目的だとは個人的には思いません。(であってほしいという希望的観測も含む)。あくまでもコレは副産物であって、速さの追求がベースにあるように感じます。

専用部品が増えると、それを取り付けるための知識が必要です。場合によっては、それを取り付けるための専用工具が必要になるかもしれません。専用部品からは話が逸れますが、自転車を速く走らせるためのワイヤー内装etcの仕様は、外装にくらべて作業に手間がかかります。

プロは、それでもなお速さを優先した設計・規格でよいと思います。仮に機材に問題が起きたとしても、同じバイクを最低2台、大手チームなら3台は供給されています。部品も、チーム側である程度は在庫しているでしょう。レース期間中の最終手段として、別の選手のサブバイクから拝借するという方法もあるのかもしれません。

ただ、アマチュアの場合、このような運用をマネするのはなかなか難しいと思います。バイクを複数台持ちする人は珍しくない?かもしれませんが、以前と比較して部品の流用がしにくくなってきているからです。

原因はご承知の通り、自転車の規格がこの数年で大幅に変わったです。

たとえバイクを2台以上持っていても、各バイクの規格が異なれば「ニコイチ」は出来ません。私も、エモンダとシステムシックスの2台運用の頃は、部品を「貸し借り」していました。ヘッドのベアリングとRDハンガーさえ予備を持っておけば、それ以外の部品はお互いのバイクが「予備部品」になっていました。

ただ、ディスクのスペシャリッシマは完全に独立しています。お陰で、室内の在庫部品点数が一気に増えてしまいました。現状、3車間で流用できるのは、ハンドル・タイヤ・ペダル・サドルくらいです。

従って、現状の専用設計マシマシ仕様は「複数台持ちをする前提の規格」という印象を受けます。個人的には、「そのバイクが乗れないときは、別のバイクがある人。もしくは、その間乗れなくてもよい人」向きだと思います。

別の言い方をすれば、「40km/hで走行時に△w削減」が必要な人です。

私は「欲しいな」と思う時もありますが、大半の場面では必要がないと判断し、そのようなバイクは購入しませんでした。(買う人・買った人をダメだと批判する意図はありません、念のため)

まとめ

2023年になっても「普通の自転車は必要」と思う機会がありましたので、書いてみました。このブログに目を通す人にとっては「今更言われなくても知ってること」だと思いますが。

今後ますます「汎用品が珍しい」という、謎の日本語が生まれていく状況になると思います。この流れ、ユーザー側でどうこう出来る話では無いと思います。

ただ、今回の件で「普通の自転車」を1台残しておくのも悪くないのでは?と改めて感じた次第です。私も、エモンダかシステムシックスのどちらかは、今後も手元に残しておくつもりです。思い入れがあって性能が高いのはエモンダですが、耐久性はシステムシックスなんですかね。悩みます。

最後に、本題には「仕様編」と書きましたが、金額編etc別の「編」が作成されるのかは分かりません。たぶん無いと思います。


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