トレーニング

トレーニング指標-FTPとMAPについて考えてみました


先日「FTPが上がった」と喜んだのも束の間、ネット上では

「トレーニング指標として、FTPを使わない事をオススメする」と言う、興味深い投稿がありました。

この記事は、この投稿を読んだ、私の実質的な読書感想文です。

結論から申し上げると、

個人的には新しい考え方を知る事ができ、非常に興味深い投稿でした。そして、「じゃあ今日からFTPはやめてMAPベースにしよう」とはいきませんが、両方(というかそれぞれ順を追って)伸ばしていく必要があるだろうな。

と言うのが感想です。

元の投稿の内容を大まかにまとめると

  • ・欧州(古くから自転車競技の盛んな国)では、パワートレーニングの基準としてMAP(Vo2max)を指標とする。
  • ・英語圏の比較的新興国(米英豪)と日本は、〃 FTPを指標とする。
  • ・日本は、トレーニング指標としてFTP一択のように感じる。勿論FTPはダメって事では無い。だけど、欧州式にも目を向けてみてはどうでしょうか?

といった内容でした。(私なりの解釈ですので間違っていたらすみません)

「なぜ日本はFTP推しなのか」については、ここでは割愛します。

仮にFTPが低くても、それ以外の値で勝負が決まる

上のグラフは、AのFTPは270、Bは250とします。体重はイコールとします。(図はかなり極端に書いています、こんな人はたぶん実在しません)

しかし、Bは、1分5分のパワーがAより勝っています。私は、今回の投稿について、「FTPだけに気を取られすぎると、知らずのうちにAのようなプロファイルになる恐れがあるよ」という事を伝えているのだと理解しました。(間違っていたらすみません)

私自身がAのようなプロファイルなので、この投稿には非常にハッとさせられました。

ただ一方で、Vo2Maxばかりに気を取られてCのようなプロファイルでは、いくら1時間弱のヒルクライムレースだとしても、勝負所の前に千切れてしまうでしょう。

ここからは、私がMAPの考え方も良いと思ったか、について過去のレースデータを交えて書きます。

ひとことで言えば、「それが私に足りない能力であり、その能力不足で何度も悔しい悔しい思いをしてきたから」と言えます。

具体的には

  • レースのスタートダッシュについて行けない
  • ペースの上げ下げについて行けない。
  • 短い(5分程度)登りでついて行けない。

上のグラフは、2020年6月の「ちくさ高原ヒルクライム レース」のパワーデータをグラフ化したものです。(同年10月の、秋のちくさ高原ヒルクライム対策として、春のパワーデータをそのままZwiftのワークアウト化したものです。最初の右肩上がりの部分は、ワークアウトのウォームアップ用で、赤く突き抜けた最初の棒がスタートして十数秒のパワーです。)

この大会には、昨年大ブレイクしたH選手が出場しており、彼は結果的にコースレコードで優勝しました。(私は3位でした)

当時、各種SNSやブログで被害報告?が投稿されましたが、スタートダッシュのペースはヒルクライムレースのスタートでは経験した事のないペースでした。ほぼ全速力を強いられた記憶です。

コースの序盤が平坦基調だった事も理由のひとつと考えますが、H選手は「力の無い選手をふるいにかけた」のだと思います。

その後も、何度となくペースアップがかかって脚を使ってしまい、最後の急勾配区間でなす術なく千切られました。(そもそも同じカテゴリーで走る事に無理があるのですが、それはまた別の話とします)

私は運良く先頭集団に残る事が出来ましたが、もしあそこで千切れていたら、先頭に再度合流する事はほぼ不可能だったように思います。

特に、「ヒルクライムならVo2Maxはさほど重要ではない」と言う言葉を信じて練習していた人には、「あんなの聞いてない!」状態だったように思います。

まとめ

冒頭・中ほどでも書きましたが、「どっちかだけ優れていれば良い」のでは無く「結局はどっちも必要」だと思います。

そして、今まで日本ではFTPが主流であった事を踏まえれば、MAPにも目を向けていく事で、今後新たな伸び代や可能性が有るのではないか?と感じました。

敢えてひとつ指摘をするのであれば、MAPレベルのトレーニングは強度が高いので、ワークアウトとしてやり切るのは精神力が必要だと思います。あの投稿の対象が「日本人の誰に向けて」なのかは分かりかねますが、普通の社会人が趣味としてこのメニューを継続していくのは、経験上それ相応の目標がないと厳しいように感じます。


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