昨日「SSTは不要なのか」について書いている途中、Twitterで関東時代の先輩とやり取りをしました。
お題は「トレーニングをコントロールする必要性とその難しさについて」でした。
今日は、トレーニングをコントロールする必要性とその難しさについて、自分の経験とそこから思うところを書いてみたいと思います。
結論から述べます。
このブログを読む人は、おそらく殆どが趣味として自転車を楽しむ人だと思います。そうであれば、身体を壊さないようにトレーニング量を管理した方が良いです。「周囲の人がどれくらいやっている、どういう事をやっている」のを参考にする事はあっても、そのまま自分が当てはまるとは限らない、という事です。
トレーニング管理の必要性を感じた2014年の病気
昨日の、先輩とのやりとりの中で「一般人であれば、優位性が立証されている方法から、自分の環境や体力に微調整すべき」というお言葉がありました。
これは、全くもって賛同します。
私はその結果、「2日1回1時間のトレーニング」にたどり着いたからです。(これも、今のところは私に合っている気はしますが、ベストかは分かりません。いつか合わなくなる日が来るかもしれません。)
管理人は、2014年の伊吹山ヒルクライムレースの後に原因不明の逆流性食道炎を発症し、それ以降4年ほどレースを走れなくなりました。
一番症状がひどい時は、レースどころかサイクリングすらできませんでした。サイクルジャージの襟が首筋に触れるだけで吐き気を催し、ロードバイクの前傾姿勢が取れないレベルまで悪化しました。
胃カメラ・ピロリ菌の検査・MRIまで撮りましたが、特に異常所見はなし。
大量の漢方薬を処方され、内臓を刺激しないように自転車はおろか、好きなコーヒーさえも飲まない生活を強いられました。激しい運動はともかく、コーヒーも飲めないのはかなり精神的に参りました。
なぜ病気になったのか
原因は、推測になってしまいますが、恐らくストレスによるものだったと想像します。たまたま仕事の忙しさが重なったという事もありますが、自転車に乗る事がストレスになっていたように思います。
時を遡ること2011年秋、私は会社の転勤で大阪府に引っ越してきました。
当時、某ショップ主催の練習会が毎週箕面で開催されており、そこに参加させていただきました。そこでは、ありがたい事に多くの「速い・強い」サイクリストの友人ができました。
その冬、「せっかくなら君も来年から実業団で走ろう」とお声かけをいただき、2012年から実業団レースを走る事になりました。毎週のように自転車に乗り、2012年のE3富士あざみラインのレースで3位、2013年のE2伊吹山ヒルクライムで3位になりました。その夏は、松本側のいわゆる「乗鞍」の年代別Aカテゴリーも、勝つ事ができました。
そして、E1で迎えた2014年春、伊吹山ヒルクライムで30位くらいだったでしょうか?正確な順位は覚えていませんが、タイムは前年比で2分半ほど遅かったと記憶しています。
今思えば、このレースと結果が一つの転機だったと思います。
そもそも2年前まで、トレーニングといってもヤビツ峠を全力で登ってタイムを測るくらいしかしておらず、たまに出たレースの成績も年代別で15位くらいだった人間でした。
それが、「速い人はパワーメーターを使うようだ」と知って元祖パワータップを購入し、その結果が出たのが2011年の箱根ヒルクライム。
その直後関西に引っ越し、「お前も乗鞍勝てるようになるぞ!」と言われるがままに走りまくって、2012年の乗鞍は年代別で3位。翌年で優勝。
これだけ右肩上がりに走力がつくとは当時想像もできず、もっと練習すればもっと速くなると思っていました(今冷静に考えれば、そんなウマイ話はないのですが…)
2014年シーズンは「E1レーサーとして、どれくらい出来るのか」自分でも楽しみにしていましたし、それに向けて、それまでやっていなかった朝練も取り入れました。実業団としねチームを引っ張るメンバーが皆朝練をしている中、やっとE1になった自分がやらない理由が無かったとも言えます。(勿論、チームメイトが悪い訳ではありません。自分の感覚や合う合わないを気にせず、闇雲に練習した自分が悪いのです)
しかし、結果は前年比2分半落ち。
絶望感とまでは言えないのですが、無力感がありました。「前年より明確に遅くなった」というのは、この時が初めてだったと思います。その1ヶ月後、比叡山のヒルクライム レース前に前述の逆流性食道炎を発症し、以降サイクリングさえも出来ない生活を強いられました。
これは「今振り返れば」の話であり結果論ですが、2013年の乗鞍で、既に身体もメンタルも限界が来ていたんだと思います。現に、乗鞍の2週間後?の大台ヶ原のレースで、その時点で前年比で3分ほど遅くなったと記憶しています。その時は、「調子悪かったかな?」くらいにしか思いませんでした。
もっと言えば、乗鞍もリザルトこそ1位でしたが、「自分が今でも覚えている会心のレース」にはランクインしていません。レースである以上、「会心の走りだけど2位」より「ちょっと不本意な部分はあったけど1位」の方が良いとも言えますが。
発病後
その後は、実業団のE2を維持するためだけにクリテリウムを年1回だけ走ったりしました(当時は、1レース分の完走ポイントさえあればE2→E3の降格はしなくて済んだ)が、それも意味がないなと思い2017年はレース出走ゼロ。2018年夏に「また自転車に乗りたい」と思えるまで、約4年の空白期間が発生しました。
確かに、乗鞍を勝った事は凄く嬉しかったです。しかし、もし事前に「その後4年間自転車から離れる」事を知っていたら、乗鞍を勝つ事を選んだかはなんとも言えないところです。オリンピック選手やサッカー選手のワールドカップとは違い、我々一般人は趣味としてスポーツを楽しんでいるのです。レースも、上手くいかなかったら、また来年頑張れば良いのです。一番レースを走って結果を出し得た20代後半という時期を全く走れなかった事は、悔やんでも悔やみきれません。
まとめ
だいぶ周り道をしましたが、過度なトレーニングは体にダメージを蓄積します。そして、そこからの回復には長い時間(場合によっては年単位)が必要です。特に、プロ選手のように体力がない、私のような一般人であれば尚更です。特に、身体の痛みや異変には、敏感になるべきだと思います。トレーニングに伴う苦しさや痛みと、膝や腰・肩の痛みは全くの別物と考えます。
ここ数年は、Zwiftのお陰でローラー台に乗る精神的なハードルは大きく下がりました。Zwiftレースのお陰で、今までは考えられなかった強度で追い込む事も比較的容易になりました。(私も、大いに活用しています)だからこそ、休む事やトレーニングをコントロールする事の重要性が、以前より増しているように思います。
今は、パワーメーター等トレーニングを定量化するツールも、比較的安価で購入出来るようになりました。走行距離と平均スピードや心拍数から、負荷をある程度計算できるアプリもあるようです。トレーニングメニューを、プロのコーチに組んでもらうという方法もあります。
方法論は、どのような形でも良いと思います。自分に合うスタイルでトレーニングを管理し、私のような「途中脱落者」を一人でも減らす事に繋がれば、本ブログを作った意味があると思っています。