機材

ヒルクライムでは、軽量ホイールとエアロホイールどちらを使うべきか? vol.1


「ヒルクライムを速く走りたいとき、ホイールは重量とエアロどちらを優先すべきか?」

ヒルクライムレースを頑張りたい勢の私にとって、気になる問いの一つです。

前回の実験は、自転車の「軽量 vs エアロ」でした(スペシャリッシマは大してエアロじゃ無いだろ、というツッコミは一旦さておき)

今回は、フレームをスペシャリッシマに統一して「軽量ローハイトホイールvsリムハイトの高いエアロホイール」のヒルクライム対決です。

いつもの如く、結論だけを知りたい方のために先に結論を書くと

平均勾配5.4%、登坂距離4.42kmのヒルクライムにおいては、「軽量」の方が登坂1本あたり「約2秒」速かった。これを富士ヒルにざっくり置き換えると、「凡そ12秒程度の差」になると考えられる。

以上の結果となりました。

この投稿が、ホイールの購入・レースやイベント参加時のホイール選択の参考になれば幸いです。

2022.11.1 追記 実験結果について、補足説明を追記しました。

実験のきっかけ

「リムの形状を見直した結果、○○km/hで走行時の抵抗が△w低下!」「リムとタイヤをセットで設計した結果、○○km/hで走行時の抵抗を△w削減」

各メーカーは、昨今上記のような謳い文句と共にホイールの新製品が次々と発表しています。「エアロ・抵抗を削減」この文言は、昨今の新製品において殆ど必須といっても過言では有りません。

 

というのも、数年前までロードバイク界隈の価値判断基準は、重量と剛性でした。ただ、各パーツを幾ら軽く作ったところで、UCI6.8kgルールがあります。自転車の総重量は、6.8kg以上にしなければいけません。

リムブレーキ車において、重量は「下限」に辿り着きました。そして「更に速くするにはどうしたら?」を検討した結果、各メーカーは空力性能の向上に着目しました。

同時進行的に、このあたりからロードバイクにディスクブレーキが導入されます。2018年前後の話だったと思います。

そして、様々な研究・シミュレーションの結果、UCIルールの6.8kgから数100g程度の重量増を受け入れてでも、空力性能を向上させた方が自転車は速く進むことが分かってきました。

また、「UCIルールなんて関係ないじゃん!」という車種も一部存在しますが、世はなんだかんだ言って「ツールを入っているバイク」が売れる時代です。そもそもそのような「遊び車種」は、体力のあるメーカーでなければ、開発製造する余裕がありません。

 

2022年の今まで、およそこのような流れがあったと認識しています。

そして、この流れはホイールも例外ではありません。前モデルより総重量を軽くするだけでは商品力としては足りず、空力性能の向上が必須となっています。

ただ一方、多くのメーカーが「山岳用モデル」という謳い文句のもと、リムハイトの低い軽量モデルもラインナップしています。

「リムハイト30mm程度のローハイト(山岳用)・同60mm程度ディープ(エアロ)・同45mm程度の中間(オールラウンド)」のように、用途毎にリムハイトの異なる製品がある事も、珍しくありません。

ところが、これらの使い分けは非常にあいまいです。理由は分かりませんが、その多くは「山岳用」と言った漠然とした表記しかされていません。

もっと具体的に「平均勾配○%であれば、ローハイトホイールA、それ以上ならBが速いですよ」と示してくれれば良いのに。

  • 「ヒルクライム・山岳においても、ホイールの空力性能が重要なことはなんとなく分かる。では、どうやって軽量ホイールとエアロホイールを使い分けたら良いの?」
  • 「機材を供給されるプロの選手は、コースやレースによって使い分けが出来るだろう。ただ、アマチュアの私はスペース的にも金銭的にもホイールを1本しか所有出来ない。その場合、どのホイールを買うのがが実用的なのだろうか?」

これ、私を含めた多くのサイクリストが疑問に感じているのでは無いでしょうか?

この疑問を、「調べてみました」というのが、本投稿の趣旨です。

題して「ヒルクライムでは、軽量ホイールとエアロホイールどちらを使うべきか? vol.1

結果は、冒頭に記載したとおりです。

実験に際しての各種条件

比較対象ホイール

なお、今回の実験は、「Furclum Go」というホイールのレンタルサービスを利用して実施しました。残念ながら、上記2本のホイールを2set自腹では到底用意できません。

写真は、タイヤ・チューブ・ローター・スプロケ込みの重量です。順番に、25mmの前輪後輪、55mmの前輪後輪です。

バイク

  • Bianchi Specialissima Disc(2021)
  • メインコンポ Shimano Ultegra12s
  • ホイール 上記の通り
  • タイヤ Pirelli P-Zero Race Wo 26c
  • チューブ レンタルの為不明
  • スプロケット Shimano Ultegra12s
  • ブレーキローター Shimano MT800 160mm & 140mm

実験コース

  • 勝尾寺ヒルクライム (平均勾配5.4%、登坂距離4.42km)

実験に際しての、その他条件

基本的には「エモンダ vs スペシャリッシマ」と同様です。

  • 両ホイールで2本ずつ計4本、すべてLap平均パワーが270w(4.5w/kg)になるよう登坂する。緩斜面急斜面問わず、出来る範囲でなるべく一定パワーになるよう走行した。(開始後、270wで4本は厳しそうに感じたので指定値を260wに下げた)
  • 人間の空気抵抗が同じになるよう、全行程をブラケットポジションのシッティングで登坂する。(上ハンやダンシングはしない)
  • キリが無いので、横を通過するクルマの台数差や、各回の風向き・気温変動による気圧変化etcは考慮しない。
  • ウェアは、4回とも統一。下山時の防寒を目的に、ジレを背中の真ん中ポケットに入れて走行する。仮に気温が上昇してジレが不要となっても、総重量を揃えるため持ったまま走る。
  • パワーメーターは、手持ちの「Assioma Duo」を使用する。1本目の走行前に、メーカー指定の方法(スマホアプリ)でゼロ校正を行う。
  • 登坂後の水分補給のため、各回のスタート前に毎回同一量の水をボトルに入れる。(200cc程度)
  • タイヤは、ホイールレンタルプログラムに付属するPirelli P-Zero Race Wo 26cを使う。チューブは、銘柄は不明。目視にて走行に支障が無さそうな事は確認したが、それぞれの走行距離は残念ながら不明。(出来ればタイヤ・チューブも同一条件に揃えたかったのですが、予算的に新品2setが用意できず…すみません)

実験結果

当日の体重は60kgです。

2022.11.1追記 実験と結果に関して補足

今回、元々は2本ずつ登坂する予定でした。ただ、

  • 1本あたりのタイム差が誤差レベルだったこと
  • パワー(=速度)を上げたら、エアロが逆転するのでは?と考えた(エモンダ vs スペシャリッシマは、実際その様になりました)

以上より、パワーを300w(5w/kg)に上げて、3本目の「延長戦」を実施しました。(ディスクローターとスプロケ交換の都合から、25mmで2本 → 55mmで2本+延長戦1本→最後に25mmで1本登坂しました)

ところが、実際に「延長戦」をやってみると、軽量ホイールが今まで以上に差をつけて速く走ってしまうという、ツッコミどころのある結果が出てしまいました。普通に考えたら逆ですね。

風はコントロールできないのでどうしようもありませんが、55mmの3本目は確かに向かい風を強く感じ、実際タイム差に表れてしまいました。

という事で、延長戦は「道中に受けた向かい風の強さ・総量は比較測定できませんが、ホイールの差は当日の風向き次第で簡単に逆転しちゃいます」という、それを言っちゃお終いだよねという事だけが分かりました。

このような経緯があり、規格そのもののお蔵入りも検討しましたが、今回は結果をありのままの公開する事にしました。

各ホイールの走行感 印象

  • 25mm 軽量ホイールらしく、勾配がキツくなった時の足の回しやすさが良かったです。ヒルクライムでこの2本どちらかを選ぶなら、25mmの方が好みです。
  • 55mm 緩斜面の進みは良かったが、勾配があがるとリズムが合わない印象。ケイデンスで登る私としては、あまり好みではなかった。

まとめ

平均勾配5.4%のヒルクライムでは、このような結果となりました。

何かにつけて末尾に「vol.1」と記載しておりましたこの手のネタ、せっかく2setもホイールをレンタルしていますので、今回「vol.2」を検討中です。

2022.11.5 追記

vol.2 を実施しました。もしよろしければ、こちらよりご覧下さい。


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