先日、id matchというバイクフィッティングを受けてきました。なお、厳密に言うと私が受けたのは「クリート位置の」フィッティングです。
id matchのサービスとして
- バイクフィッティング (「ロードバイクのフィッティング」と言われて、多くの人が想像するやつ)
- クリートフィッティング
この2種類があります。私が今回受けたのは、後者の「クリート位置のみ」のフィッティングサービスです。
今回は、受けるに至った理由とそのファーストインプレッションを記載します。
先に結論から言うと、個人的には、「魔法が掛かったように一瞬で問題が無くなった」とはなりませんでした。一方で、特別にネガティブな印象もありません。
中長期的なレビューが必要だと思っています。
クリートフィッティングを受けようと思った理由
ペダリング時、右脚の殿筋がうまく使えていない気がしていました。特に、膝上の筋肉が使われている感じがする事が気になっています。一方で、左脚はキチンと殿筋でペダリング出来ている感覚があります。現状で、特に問題は感じていません。
なお、こちらで記載した富士ヒル本番の脚攣りも、右脚(前側)でした。
これからのヒルクライムレースシーズンに向けて、トレーニングを重ねて現状よりレベルアップをする必要があるのは、当然です。これは大前提。その一方で、今ある体力や筋力を最大限活用する為のアプローチも必要ではないか?と考えました。
これが、フィッティングを受けようと思った一番の理由です。
そして、以前にretulを受けていることもあり、ブラケット位置やサドル高に違和感はありません。
であれば、まずロードバイクを走らせる上で一番重要(と筆者は考えます)である、現状のクリートとペダルの位置をフィッティングにて検証してみようと考えました。
id match 概要
私が受けたクリートフィッティングは、
- 足型の計測 (母指球の骨の位置を測定しているようです)
- 屈伸した際、膝がどの方向へ向くか
以上を測定し、数値をシステムに入力します。これだけで、あとはAIが自動的に「理論上ベストなクリート位置・角度」を算出してくれます。
その後、クリートをその位置に合わせて貰って、終了です。私の場合、シューズがボントレガーとスペシャライズドの2足有りましたので、2足とも調整して貰いました。
入店からお会計まで、およそ1時間程度で全て終了しました。
技術的な仕組みや仕様については、私がゴチャゴチャ書く意味もありませんので、詳細は代理店リンクをご覧下さい。
個人的には、AIが過去の様々なデータと骨格上の理論値から算出するため、結果が人の主観やフィッターのスキルに左右されにくいのは、メリットだと思います。
id matchを受けた結果
1枚目は施工中の写真です。画面向かって左側がbefore、右がafterです。我流の位置とAIが示すベスト位置が、全然違う事がこの画像でもお分かりいただけるかと思います。
2枚目の写真は、最終完成図。左右差は殆どありません。
まず結論から言うと「ボントレガー・スペシャライズドどちらのシューズも、クリート位置を15mm~20mm程度前に動かす必要がある」という結果になりました。15mmって、バイクフィッティングに於いてはもの凄いズレです。人間の感覚がいかにいい加減か、お恥ずかしい限りです。
そして、いざクリート位置を修正する際に問題が発生。
ID Matchが「ベスト」とする位置にクリートを取り付けようにも、クリートの取り付け穴の場所的に不可能でした。取り付け穴も可動式ではありますが、私が取り付けたい場所まで前にスライド出来ません。
対応として、Reveの「クリートムーブスペーサー」をシューズに取り付け、その上にクリートを取り付けることに。
このスペーサーを使うことで、ボントレガーのシューズは「id matchが理論上ベストと示すクリート位置」にクリートを調整することが出来ました。
一方、スペシャライズドのシューズは、このスペーサーを挟んでもベスト位置より8mm程度後ろにしかクリートを取り付けることが出来ませんでした(クリートを、ベスト位置まで前に出すことが出来なかった)。クリート位置をボントレガーのシューズと合わせたければ(=ベスト位置に合わせたければ)、買い換えです。マジか。
また、どちらのバイク(シューズ)もクリート位置が15mm以上前に動きました。その分だけ脚が長くなった(実際に長くなったわけではありませんが!)ので、サドル高もそれに合わせて上げています。
サドル高を上げた事でサドル後退幅も増えましたが、そこはまだ手をつけていません。今のところ特に問題を感じていませんので、ここで一旦様子を見ている状況です。
シューズを2足使い分けている理由
- ボントレガーのシューズ=シマノのクリート
- スペシャライズドのシューズ=ルックのクリート
が取り付けてある為です。なお、ペダルを使い分けている理由は
- スペシャリッシマ=シマノのパワーメーターがあるのでシマノペダル&クリート(こちらの話があり、今後どうなるか分かりませんが…)。
- エモンダ=Assiomaのパワーメーターを使うので、ルック
パワーメーターを使う都合上、バイクによってペダルを使い分けています。これが、シューズを2足使い分けている理由です。
受けてみて良かったか?
ボントレガーのシューズ(エモンダ)は、Zwiftのみ3回。スペシャライズドのシューズは、Zwift4回と実走で2回使っています。
結論から言うと、受けて2週間程度ではまだ良し悪しの判断がつきません。コレに関しては、長期的なレビューが必要です。
今のところですが、ボントレガーのシューズ(理論上の適正位置)は、クリート位置が若干前過ぎるように感じます。
スペシャライズドのシューズ(理論上の適正位置より8mm後ろ)の方が、好みの位置になっている印象を受けます。ただ、これは「ボントレガーのbefore」と「スペシャライズドのafter」が近いことに依る、慣れからくるものだと思われます。
また、フィッティングを受けるきっかけになった、ペダリング時に使う筋肉について。これに関しては、右脚も殿筋でペダリングが出来るようになった気もしますが、一方で左右差はまだ残っているなと感じる時もあります。相変わらず、右は不安定で左は安定しています。
この仕様で実走を含めて数ヶ月程度トレーニングしてみないと、評価は難しいです。少なくとも私は「魔法が掛かったように問題が無くなった」という感覚は有りません。
オススメできる人・できない人
まず「知識・興味として自分のベストクリート位置を知りたい」という人には、問答無用でお勧めします。我流で合わせたクリート位置が、どれだけベストから離れているかかを知るだけでも面白いと思います。(参考までに、我流のクリート位置とid matchがベストと示すそれがピッタリ一致する人は、数100人に1人もいないようです。逆に、バイクポジションはある程度いらっしゃるとの事。)
では、痛みetc何かしら問題を感じていて、その解決を期待している場合の人。
この人は、シューズの買い換えやバイクのポジション修正、最悪バイクの買い換え?が必要になるかもしれません。そこをどう判断するかに依ると思います。
最終的には、AIが示すベストポジションを受け入れるかどうかは、各人の判断です。ただ、フィッティングは、受けるだけでは(基本的に)意味はありません。フィッティングを受けて (クリート)ポジションを微修正し、そのポジションでトレーニングを継続することで初めて意味を成します。
私のようにクリートを適正位置に取り付けが出来ないシューズを履いている場合、もし適正位置に取り付けようと思ったらシューズを買い直す必要があります。
また、クリート位置が変わる=脚の長さが変わります。脚の長さとサドル髙が緊密に連動している事は、ご承知の通りだと思います。
- クリート位置が変わる→サドル高が変わる→適正なサドル後退幅に出来ない場合、サドル or シートピラー交換で調整
- クリート位置が変わる→サドル高が変わる→ハンドル・ブラケットまでの距離が変わり、ハンドル or ステム交換で調整
このように、クリート位置の修正が入ることで、自転車全体のポジションが見直しになる可能性があります。(クリート位置の変化量にも依ると思いますが)
ここでネックになるのが、昨今のステム長やハンドル高の調整が難しいバイク。仮にポジションを見直ししようにも、近年はそもそも修正の余地が残っていないバイクも珍しくありません。試しにハンドルを下げたくても「コラム切らないとムリ」的な奴ですね。
幾ら理想のクリートポジションを知ったとしても、シューズ上でそれを再現出来なければ、それは画に描いた餅です。シューズ単体ならまだ買い換えも検討出来ますが、その範囲が一体型ハンドルやフレームにまで及ぶと、さすがに多くの方が躊躇すると思います。
ということで、現状特段の問題を感じていなければ、「知らぬが仏」という考え方もアリだと思います。シューズやバイクを買い換えるタイミングで受ければ、それで良いかと。
私も、スペシャライズドのシューズはどうしようか悩んでいます。今のところ、そのまま履く可能性の方が高いです。ただ、次回購入することはないかな?とは思います。
まとめ
私は、クリート位置を合わせて、サドル高をそれに合わせて終わりました。繰り返しになりますが、今のところこれで不具合はありません。可も無く不可も無くというのが、率直な第一印象です。
半年後くらいに、受けて良かったかどうかをまたレビューしてみようと思います。