先日、海外の有名な方より「FC-R9200-P(シマノ12sのクランク型パワーメーター)が出す数値の信用性」に関する投稿がありました。
本記事では投稿内容の詳細は記載しませんが、内容は、客観的に見てやや?かなり?厳しい評価がなされていました。
投稿内容を(無理矢理ですが)一言でまとめると「特定の条件下で数値の信頼性・安定感に欠く」というものでした。購入を考えていた人が見たら「考え直そうかな?」と思うような内容だと感じました。
一方私は、こちらで記載したとおり、系列モデルのFC-R8100-Pを2022年末に既に購入しています。購入した目的は、リンク先の記事内容と重複しますが、シマノ社パワーメーター独自のベクトル解析を使って、スキルアップに繋げられないかな?と考えたからです。
1月末にFC-R8100-Pをスペシャリッシマへ取り付けてから、Zwiftで10回程度・実走で2回走行しています。今回は、Zwiftで使うSaris H3とのパワーデータを比較し、表にまとめてみました。
簡単に言えば、FC-R8100-PとSaris H3との、デュアルレコードデータ紹介記事です。
なお、補足しますと上記海外の投稿は、R8100-Pについては指摘していません。ただ、上位機種のR9200-Pにあのような評価がなされた以上、系列モデルのR8100-Pも同等もしくはそれ以下の評価になると想像します。「R8100-Pの方は、精度に問題が無かった」なんて結論データが出れば個人的には万歳三唱ですが、普通に考えればそんなことにはならないでしょう。
FC-R8100PとSaris H3 パワーデータ比較
データ紹介に入る前に。
FC-R8100-Pは、トレーニング前に毎回ゼロ校正を掛けております。一方SarisH3は、ゼロ校正の際非常に大きな音を発する事から、トレーニング前に毎回ゼロ校正を出来てはおりません (詳細はこちら)。その点をお含み置きいただければと思います。
なお、メニュー前にゼロ校正をしたデータには、その旨を記載します。
また、いずれのデータも「L2→L5」のような出し入れの激しい走行はしておりません。今回の記事では、275wと255wを5分ずつ計4set行き来するSSTのデータのみをピックアップしました。インターバル系のデータは、今後検証予定です(単に、私がR8100-Pを買ってからSSTしかやっていないとも言う)。
2023.2.2 SST Sarisゼロ校正あり
紫がサリス、水色がFC-R8100-Pです。調子が悪くて、28分でリタイアしてしまいました。
10分を過ぎてから、シマノが上振れし始めました。ギアをインナーに入れていたかは覚えておらず、現時点ではログからも確認できておりません(インナーかアウターか分からない)。
2023.2.4 SST Sarisゼロ校正あり
紫がサリス、水色がFC-R8100-Pです。この日は4set計40分完遂しました。パワーデータの方も、かなり安定しています。
2023.2.7 SST Sarisゼロ校正あり
紫がサリス、水色がFC-R8100-Pです。この日もメニューは完遂。データ的には、シマノが20分過ぎからやや上振れ気味です。ただ、SarisとFC -R8100-Pの公称差がどちらも±2%ですので、これくらいは許容範囲と思ったほうが精神衛生上も良いとは思います。
2023.2.10 SST Sarisゼロ校正あり
紫がサリス、水色がFC-R8100-Pです。この日も、10分を過ぎてから水色のグラフが上目に出ています。ここまで全てのデータは、途中どれだけインナーに入れたかは不明です。(今後、シマノコネクトラボで検証する予定)。これだけブレると、Zwift的にはチート扱いでしょうか。
2023.2.24 SST Sarisゼロ校正あり
衝撃の?動画が出てから最初のSST。件の動画では「インナーギアの時パワーが多く計測される」との事でしたので、前半20分をアウター、後半20分をインナーで走行してみました。
結果、動画の内容と同じように、後半からシマノのパワーが上目に出る様になりました。
右の表を見ると、20分ベストのギャップは、3.66%です。ただこれは、シマノの20分は後半部分、サリスの20分は前半で記録した可能性があります(推測)。もしインナーギアが常時20wかさ増しされていると仮定すれば、290÷270で1.07。20分パワーは約7%ギャップが有るはずです。
ところが、20分ベストを比較すると3.6%しかありませんので、上記の可能性を疑いました。(今後検証予定)
気になったこと
個人的に気になるのは、ブレの一貫性を掴めないところです。何となく、10分を過ぎると少しずつ上ブレ始めるのかな?そして、ブレ始めると元に戻っては来ない様な印象を受けます。
ただ、幸か不幸か2/4のデータは、40分間ほぼイコールでした。常に上振れなのであれば、脳内変換すれば良いだけなのですが、たまにピタリ一致みたいな日があると、どう対応すべきなのか…
まとめ
まとめという程纏める事も無いのが正直なところですが、出し入れの少ない比較的TT的な走り方をした場合でも、時間の経過と共に乖離が発生してしまう印象があります。現時点で「この製品はダメだ」と結論づけることはしませんが、あのような筋からあのような内容の動画が出てしまい、私もそれと同じような傾向が垣間見えました。
L5強度やインターバル的な走行データは未だ取っておりませんので、引き続き検証を続けます。また、今回アップした以外にも幾つか走行ログはありますので、時間を見つけてアップしていきいます。