サイクルウェア レビュー

Rapha メンズプロチーム ロングスリーブ トレーニングジャージ レビュー


Rapha メンズプロチーム ロングスリーブ トレーニングジャージ を購入して、約10ヶ月(使用期間は4ヶ月程度)経過しました。

つい先日まで、真夏用ジャージで走っていた気がするのですが、いつの間にか季節が進み、そろそろ秋・冬支度が必要になってきました。

今回は、これからの時期(10月以降)に活躍できる表題のジャージのレビューです。

私が所有しているのは、2021年のFestive500モデル。174cm/60kgの私は、Sを購入しました。お値段は、レギュラー品は2022年10月時点で17,000円。私が当時幾らで購入したかは、失念しました。

本投稿が、お役に立てばと思います。

購入のきっかけ

繰り返しになりますが、私が購入したのは2021年のFestive500モデルです。Festive500をご存じない方のためにざっくり説明すると、「年末の8日間で500kmサイクリングしよう」という、毎年恒例となったRaphaのイベントです。そして、「Festive500を走る時に使ってくださいね」というお題目で、毎年デザイン違いのジャージやソックス、キャップ・ミュゼットetcが販売されます。

個人的には、ネックウォーマー(raphaの商品名はスヌード)が好きで、ここ数年毎年購入しています。そして「今年も買うぞー」と店頭に行ったところ、本製品が目に留まりました。

最初は「嘘でしょ」と思った

Festive500ジャージは、上述したとおり12月末の使用を想定しています。

店頭で実物を見たとき、驚くほど生地が薄いと感じました。生地の密度は高そうに見えましたが、手触りは夏用ジャージの如くペラペラで「いや、コレで12月末に自転車乗れる訳ないでしょ」という。私が主にサイクリングをする兵庫県南部・大阪府北部では、12月末なら最低でも起毛ジャージ。防風ジャケットを着用している人も珍しくありません。

個人的にデザインが好みだったことと、薄手の長袖ジャージを持っていなかったので、スヌードと一緒に購入しました。ただ、その時点では12月末に着用する事は全く想定せず、むしろ春先~初夏に着用しようと思っていました。「この薄さであれば、夏場の日焼け対策に良さそう」と。

ただ、結論から言うと、初夏において本製品は全く適していませんでした。

非常に薄くて動きやすく、速乾性も良好です。ただ、熱がこもってしまい、通気性が悪いです。15~25℃の日に夏用インナーと共に着用したところ、日中オーバーヒートしそうになりました。

こちらで、気温帯ごとにどんなジャージを着るのが良いかを記載していますが、本ジャージは紛れもなく秋〜春用のジャージです。

良かったところ

生地の薄さに対して保温性が高い

個人的に、最も驚き(かつ良いと感じた)ポイントです。

「熱がこもり、外からの風を通しにくい」。これは、寒い時期に求められるウェアの特徴です。そして、夏用ウェアと遜色ないほど軽量かつ柔らかい生地で出来ています。

秋口~冬用として発売されるジャージの多くは、保温性・防風性を重視して生地が厚く、伸縮性が犠牲になっている製品があります。

その点、本製品は伸縮性や重量は夏モノに匹敵するにも関わらず、保温性・防風性が担保されています。「裏起毛でないのに暖かい」という、不思議なジャージです。

先日、「晴れ・最低気温13℃、最高気温20℃・北風1m」の予報に対して「夏用半袖インナー+本製品+夏用ジレ(背面メッシュ)」の組み合わせでトレーニングをしました。朝イチ(6時台)の走り出しだけはジレが必要なのですが、身体が温まってくるとジレを脱いでも十分に暖かく感じました。日中になって気温が20℃前後まで上がってくると、快適~少し暑く感じる印象です。

昨年末から使った印象としては

  • 夏用半袖インナー → 薄手の長袖(モンベルetc)・厚手の長袖(craft・raphaメリノ)
  • 夏用メッシュジレ → サーマルジレ・防風性の高いジレ・袖付きのウインドブレーカー

に変更すれば、気温1ケタ後半の日でも丁度良く走れます。

バックポケット

“良かったところ”に挙げて良いのかは微妙ですが、可も無く不可も無くです。

ポケットは、腰の部分に3つ。

素人採寸ですが、両サイドのポケットは平置きで間口9.5cm×深さ16cm。中央ポケットは、間口10cm×深さ16cm。伸縮性があるので、サンボルト社のポーチ(10.5cm×18.5cm×2cm)が、ピッタリ収まります。ファスナーつきポケットは、残念ながら有りません。

イマイチなところ

袖周りのゴムが緩い

私の手首周りはおよそ15.5cmで、指1~2本入る程度浮きます。

「腕周りの空気抵抗が云々」という事を言うつもりはありませんが、手首にフィットせず風が入ってくるのは、若干気持ちが悪いです。

また、ジャージの上に冬用グローブを被せる場合、グローブの淵が浮き易くなると思います。

これであれば、見た目の格好良さは若干?劣りますが、子供服のように袖にゴムが入っているジャージの方が着用感は良いです。

温度帯目安について

真夏と違い、10月以降は「何を着るか」が非常に難しくなります。

  • 走行する時間帯の外気温
  • 天候(太陽の有無)
  • 風(強さ・向き)
  • 運動強度
  • その日の最高標高地点
  • 個人の寒さ耐性 他

これらの影響によって、かなり幅・個人差が発生します。

各メーカーが「気温別のウェア選択例」のようなページを作成し、商品の紹介をしています。あくまで個人的な印象ですが、あれを丸々コピーすると厚着になりすぎる気がします。

また、同じ「15℃」でも、風の無い穏やかな晴れの日に平坦路でトレーニングをするのと、北風の強い曇りの日で峠道のヒルクライムをするのでは、必要な装備が変わってくると思います。

従って、「気温15℃ならコレを着ましょう」と明示するのは、非常に困難です。その辺りは、各個人で経験を蓄積し、自分なりのベストを見つけるしか有りません。

それを踏まえて、敢えて本製品に気温帯を設定するとすれば、「5~15℃」と個人的には感じました。

気温が1ケタであれば、シクロクロスのレースでも無い限り、これ1枚で走行するのは厳しいと思います。ただ、インナーとアウターをうまく組み合わせれば、下手に分厚いジャケットをドーンと着るより、快適に走行出来ます。

なお、気象庁のHPから「大阪府の月別平均気温」というページを見てみました。直近5年程度をざっと見た限り(厳密に計算した訳ではありません)

  • 11月 約14℃
  • 12月 約9℃
  • 1月  約7℃
  • 2月  約7℃
  • 3月  約11℃
  • 4月  約15℃

とありました。

「大阪府の平均気温」なので、計測地点は恐らく平野の都市部と思われます。サイクリストが主に活動する郊外・山間部はここから数度低いと予想しますが、上記気温は真夜中も含めた「平均」気温。日中だけの平均であれば、肌感覚的にもおよそこのような気温帯〜2℃程度低いかな?という印象です。

そうであれば、1月と2月以外は本製品を着用してサイクリングを楽しむことが出来ます。

まとめ 厳冬期以外使えるジャージ

インナーとアウターの組み合わせ次第で、秋口から厳冬期を除いて春先まで活躍が期待出来ます。私も含めて「秋口に、起毛ジャージを着たら暑すぎた」という経験をされた方は、本製品を試してみる価値があるのでは?と思います。

「意外と薄着でも大丈夫なんだな」という、新たな発見があるかもしれません。


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