Bianchi Specialissima ブルベ

BRM1126近畿300km京都 金ヶ崎の退き口 当日編


先日、BRM1126近畿300km京都に参加してきました。記録は12時間51分で、人生2回目の1日300km走行を無事終えることが出来ました。

以下、走行の記録と感想・反省など。

スタート前

スタートは、京都の岡崎公園(ロームシアター京都横)を朝6時。車で京都に入り、スタート地点に向かう前に車内で改めて気象予報を確認します。

  • 150km地点の福井県小浜市は、14時以降雨マーク。
  • 200km地点の福井県敦賀市・220km地点の同若狭町は、15時以降雨マーク。
  • 250km地点の滋賀県高島市は、終日曇りマーク。但し午後の降水確率は40%。
  • 1日を通した気温は、10~19℃。一番寒いのはスタート時間帯で、ゴール予定時間帯は今よりは暖かい。

これらを確認しました。そして、上記気象状況より1日のプランを以下の通り組みました。

  1. 150km地点の小浜(一番北側の旗)で、天気予報を確認。以降雨に長時間降られそうであれば、敦賀には行かずDNF。小浜で海鮮を食した後、地図の右上部分往復70kmをショートカットして自走で京都へ向かう。
  2. 200km地点の敦賀で、天気を確認。この後、長時間雨に降られそうであればDNF。敦賀で海鮮を食し、輪行で京都へ。
  3. いずれにも該当せず、雨から逃げ切れそうであれば完走を目指す。

信号停止込み(グロス)で1時間に20~23km移動すると仮定すると、200km先の敦賀着は15時前後。個人的には、この時期雨の中を走行するメリットは殆どありませんので、雨が降ったらDNFのつもりでした。状況的に、スタート時点では完走とDNFは五分五分です。

また、上記気象(気温)状況より、ジャージは当初予定の長袖では無く春~秋用の半袖をチョイス。「今回良かったところ」で後述しますが、これはほぼ完璧な判断でした。

5時半頃から、受付とブリーフィングが始まりました。注意事項とゴール受付の説明を聞いて、スタートの6時を待ちます。

走行編

スタート ~ フォトコントロール 高雲寺

スタートして10km弱は、京都市内を走行します。信号には多数引っかかりますが、該当があって交通量は少ないので走り易い印象。

府道61号線に入ると、少しずつ登りが始まります。前回の300kmブルベ同様、登りでは踏まず休憩を抑えるプランだったので、多数の参加者に抜かされました。

10分程度アップダウンをこなして、最初の通貨チェックポイントに着きました。

高雲寺 ~ 通過チェック 道の駅ウッディー京北

高雲寺通過後も、基本ダラダラと登ります。最後に500m程急勾配区間があり、持越峠のピークを通過。時間帯・場所柄を考えれば対向車は殆ど来ないと予想しますが、道幅は1.5車線ほどしかありません。ダウンヒルは慎重に行きます。実際、1台対向車が来ました。

なお、途中の温度計は5℃と表示しておりました。スタート時より気温は下がっていたはずですが、寒さは感じませんでした。

国道162号線に出れば、道は広く綺麗です。トンネルを幾つか通過し、ファミマ京北周山町店へピットイン。その先にある道の駅orファミマのレシートで通過チェックになっていたので、私は補給調達を兼ねてファミマを選択しました。

道の駅ウッディー京北 ~ PC1 セブンイレブン綾部大島町店

ここから先の府道19号線数kmが、私が本ブルベのルートで唯一過去に自転車で走った事のある道です。奇しくも、目的地は今回と同じ小浜です。ただし、今日は逆向きに走ります。同じ目的地へ向かうのに、なぜ今日は逆向きに走っているんだ?という、変な感じでした。

この区間は若干の下り基調で、スピードが伸びます。スペシャリッシマにミシュランパワーカップを履かせると、35km程度の速度帯では本当に気持ちよく転がっていきました。こちらにも記載した通り、設計にやや疑問(というか確信)はありますが、モノ自体は良いと思います。

話を走行録に戻します。JRの胡麻駅を通過した所で、反射ベストの下に着ていたウィンドブレーカーを脱ぎました。これでウェアは「半袖インナー+半袖ジャージ+反射ベスト(+アームウォーマー)」となりました。

国道27号線に入れば、綾部まで約1時間1本道。ここは、車では走ったことのある区間です。最後に渡る橋を間違えないようにだけ気をつけて、無事目的のセブンイレブンに着きました。

完走の可能性を広げる (雨から逃げ切る) ためにコンビニで休憩はせず、トイレと事前に決めたモノを購入して、直ぐ出発します。

セブンイレブン綾部大島町店 ~ PC2 道の駅若狭おばま

ここから、個人的な第一の目的地である小浜へ向かいます。

綾部の市街地を抜けて府道1号線に入ると、福井県大飯町まで約38kmずっと1本道。この道に入る手前で、レッグウォーマーを脱ぎました。あとは、早くも肩が痛い。後述しますが、ビブが合っていないようです。

交通量皆無・平均勾配1%くらいの緩い登りを、無心で黙々と進みます。追い越し・対向車両が来た記憶もありません。首が痛くなった以外、特記事項なし。

ピークに着きました。

福井県側に下り国道27号線に入ると、車道の左側は非常に荒れています。東西を結ぶ道がココしか無く、かつ雪が多い日本海側という事情もあるのでしょう。幾つか狭いトンネルもあり、そこで10t車に抜かれる場面も。非常に気を使っての走行です。

小浜市街地手前で、海岸線の脇道に逸れます。やっと、ゆっくり日本海を拝むことが出来ました。

なお、小浜市街地に到着したのが丁度お昼の12時。当初計画では小浜で海鮮を頂く予定でしたが、時間帯からして混雑は避けられません…。そして天気予報を確認すると、敦賀の雨予報は15時頃〜で変わっていません。

「ここまでグロス25km。敦賀まで残り2時間ペースをキープ出来れば、そこで30分寿司休憩を取ってもギリギリ降られずに済むのでは?」と考え、小浜での休憩は無し。

「小浜に来た感」を味わいつつ、先を急ぎます。

道の駅若狭おばま ~ フォトコントロール 金崎宮

道の駅若狭おばまを出ると、なぜか突然に超絶向かい風。ド平坦にも関わらず、踏んでも22km/hちょっとが限界です。この時点で、グロス25kmキープはかなり難しいと感じていました。向かい風と日差しで暑くなり、アームカバーを手首まで下ろします。

10km程耐えて進路を北に取ると、向かい風は収まりました。ただ、向かい風区間で想定以上に水分を消費してしまい、三方五湖近くのファミマで計画外のピットイン。ボトルの水だけ補給します。

ファミマを出ると、美浜と敦賀の間にある関峠の辺りで、1名の参加者に追いつきました。追いついた流れで関峠の登りは前を牽きましたが、下りと平坦はその方が速く、また抜かされてしまいました。

体力的に、この辺りが最もキツかった。天候に関係なく、敦賀でのDNFが一瞬頭をよぎりました。敦賀駅は京都方面への始発駅という事もあり、2時間座っていれば京都に帰れます…

敦賀市街地に入ると、一気に交通量が増え、信号渋滞も多発しています。左折巻き込み・右直事故に注意しながら、目的地へ。

着きました。14時01分で、最初の関門だった205km地点に到達。

疲れたので、予定していた寿司屋(海鮮アトム)へ直行します。完走するかDNFするかは、寿司を食べてから考えます。

1皿目は、ブリです。以降マグロ赤身、しめ鯖、のどぐろ炙りetc。この後走る事を考えて、9皿で戦略的撤退したはずです。200km走った後のお寿司は、体に染み渡りました。旨い。

金崎宮 ~ PC3 ローソン朽木市場店

お寿司でお腹を満たし改めて天気予報を確認すると、三方辺りの雨は16時まで後ろ倒しになっています。体力も、寿司休憩前の絶望的な状況からはかなり回復しました。改めて、食事は大切だと感じた瞬間です。

「これなら走りきれる」と判断し、帰路へ。

途中の三方五湖までは、往路で走った道を逆走します。途中、何名かの参加者とすれ違いざまに挨拶をしました。私が過去に参加したブルベは、往復で別の道を走ることが多く、このようなシチュエーションは初めてでした。

国道27号線に戻ると、道幅は広い片側1車線で緩い登り基調。やや向かい風という事もあり、ペースは上がりませんでした。

ただ、ここまで来てしまうと後戻りは出来ません。(ちなみに、もし後戻りするなら敦賀に戻る or PC3と同じくらいの距離を走った所にある琵琶湖沿いの駅から、輪行です)

30分以上我慢の走りを経て、無事27号線から離脱する曲がり角へ。少し走ると、朝イチ通過した持越峠並の急勾配が…わかさカントリー倶楽部への登りです。ここ、普段のサイクリングであれば何てことの無い丘ですが、240km走ってからの登りは堪えました(なお、この後もっと登る事をこの時点では分かっていない)。

熊川宿を過ぎ、少々登りながら滋賀県との県境へ。久しぶりに近畿地方へ帰ってきました。それ以降も細かいアップダウンを繰り返しながら、無事PC3のローソンに到着。

ここでも、停止は最小限に。日が暮れて、気温も下がってきました。

ローソン朽木市場店 ~ 岡崎公園(Finish)

この停止タイミングで、ウェアを防寒仕様に再調整。レッグカバーを履き、反射ジレの中にウィンドブレーカーを羽織ります。

そして、ここからは完全な夜間走行。距離も去ることながら、私の最も経験値が足りない分野です。

ただ、幸か不幸か残り40kmの半分は登りでした。250km走行後なので速度もパワーも全く上がりませんが、暗さ故の事故リスクも同時に抑えられています。街灯が少なく、真っ暗な部屋でローラーに乗るような感覚に陥り、かなり心が折れかけていました。ただ、登りはある意味適当に走ってもいつか終わります。漕がずに済むとはいえ、一瞬の判断ミスが許されない分ピークを越えてからの下りの方が気を張りました。

宝ヶ池まで下ってくると、京都の市街地らしくバスとタクシーが沢山走っています。つまらない事故に遭わないよう細心の注意を払って、フィニッシュ地点へ。

スタートから12時間51分、無事完走です。雨には一度も降られることなく、ラッキーでした。なお、ブルベカードの写真は撮り忘れてしまいました。

ガーミンEdge530の電池残は、残り56%。日中はバックライトをオフ、夜間は10%の明るさで画面を常時オンにして走行しました。これなら(予定はありませんが)400km迄なら、途中の給電はしなくて済みそうです。スマホ(iphone13mini)も節電モード運用で、残り50%でした。

今回のブルベ 良かったところ

ウェア選択

この記事に当てはめると、当日は「天気:晴れ・気温:10~20℃・運動強度:中」でした。この場合、朝の寒さに惑わされてウェアを選ぶと、日中オーバーヒートします。更に、今回はブルベです。普段のプライベートなサイクリングとは違い「走行中、常に一番上に反射ジレを着用する」のがルールで定められています。

私はraphaのブルベジレ※(否背面メッシュ)を着用しましたので、この1枚で防風性・保温性の大部分は賄えます。また、今回雨の予報があったので、サドルバッグにはレインジャケットを入れてありました。予定外に冷えた場合、これも防寒着の代わりになります。

これらを踏まえて「気持ち薄着・着脱可能なもの」を選択したところ、バッチリでした。約13時間、1回も暑いとも寒いとも感じる事無く、快適にサイクリングが出来ました。なお、雨が降りませんでしたので、サドルバッグに入れたレインジャケットは使わずに済みました。

※Rapha ブルベジレについて

当製品は、「BRM参加中に着用する反射ベストとしては使用不可」とする団体もあるようです。私個人の認識としては

  • 全体の生地が蛍光色である
  • 胴回りだけでなく、首元と肩口・腰部(前方・後方から見えやすい場所)にも反射材が貼られている

以上より、被視認性は担保されていると判断して本製品を使用しています。ちなみに、私が使用している製品は既に廃盤になっており、現行品とは仕様が異なります。(現行品は、胴回りと腰のブランドロゴのみ反射素材)

ただ、何を以って「被視認性が担保されている」と判断するか、その基準は人それぞれ異なります。「別に蛍光色でなくても良い」と判断する人も居れば、「このジレでは反射素材が不足している」と判断する人がいる事も承知しています。誰の判断が正しいとか間違っているという議論は、ここではしません。

なお、主催側が「その製品はダメ」と指定している場合においては、主催者・ルールに従って頂きますようお願いします。

補給

「45分に1回、おにぎり・羊羹・ジェル何れかを摂取する」というマイルールを設定し、走行しました。敦賀手前で若干バテてしまったのは課題ですが、コース次第では200km迄ならコンビニ休憩をしなくても走り切れると分かったのは、収穫でした。

また、これは次回以降に活きるかはコース次第ですが、補給(昼食)にお寿司を食べたのは非常に良かったです。成分的にも「炭水化物・タンパク質・塩分」と、理に適っているように思います。

今回のブルベ 反省点

ビブのサイズが小さいかもしれない

前回の300kmブルベで悩んだ「肩こり」今回も見事に発症しました。それも、フィニッシュ直前では無く、100km地点の綾部セブンイレブンを過ぎた辺りから。前回は、「ジャージにモノを詰め込みすぎた結果、重さでやられた」と考えていましたが、今回ポケット内は最小限に抑えています(100km地点では、スマホとウォレットポーチ・ウィンドブレーカーのみ)。

試しに、府道1号線に入った所でビブの肩紐を外してみました。すると、血流が復活したのか、痛みがすーっと消えました。結局、残りの200kmはビブの肩紐を下ろしたまま走行することに。

Raphaの商品ページによると、身長182cmのモデルさんがSサイズを着用しています。そして、商品はクラシックフィットという、ややゆとりのあるカッティングになっている様です。174cmの私は、これらを総合的に判断しXSサイズを選択しました。ビブは、大きすぎると股ずれetcのトラブルが発生します。なお実際、SantiniのビブはXSを着用しています。ただ

  • 私が、身長の割に胴が長い(Raphaが想定している以上に脚が略)
  • ビブ紐の伸縮性が、他社製品と比べて低い

どちらなのかは分かりませんが「ビブ紐が肩に食い込んで痛みに繋がっている」のは間違い無さそうです。

データで振り返るBRM1126

走行ログを確認すると、信号その他停止時間を除いた走行時間11時間半のうち、約6時間は回復走強度での走行となっていました。これは、前半追い風基調だったことが影響しているように思います。

また、敢えてそのようなペース配分で走った結果でもありますが、ヒルクライムのトレーニングで重要なL4以上の強度は、全くといって良いほど入っていません。なお、TSSは358でした。1時間当たりに直すと、約28です。

以上より300kmのロングライドは、長時間に渡ることもあり身体的な疲労は溜まりますが、「ヒルクライムのトレーニング」という観点からみると効果はかなり薄いと想像します。現実的に、カロリー消費以上の効果は無いかもしれません。

個人的には、今回楽しかったのでそれで良いのですが、ブルベのトレーニングとヒルクライムのそれは全くの別物だなぁと、改めて感じました。これをみると、「秋冬はブルベ・春夏はヒルクライム」というのが私には合っていそうです。そして、個人的には200kmまでは楽しく走れるのですが、300kmになると若干修行感が出てきます。400kmとか、ちょっと想像つきません。

まとめ

人生2回目の1日300km走行、無事終えることが出来ました。出来た事出来なかったことはありますが、またヒルクライムシーズンが終わったら1回300kmに挑戦するかもしれません。200kmは、ヒルクライムシーズン前に1本走りたいなぁと思います。


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